不眠症は一生治らない?諦める前に知っておきたい改善方法!
投稿日
更新日
監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)
目次
「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝早くに目が覚めて、その後眠れない」
このような悩みを抱えているあなたは、もしかしたら「不眠症」かもしれません。不眠症を治すためには、原因を突き止めて自分に合った治療をおこなうことが大切です。この記事では不眠症の種類と原因、診断方法、治療法などについて解説していきます。
墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、不眠症の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。
>>オンライン予約はこちらから
不眠症は一生治らないわけではない
不眠症に苦しむ多くの人々が悩む大きな疑問。それは、不眠症が一生治らないのかということです。
不眠症は慢性的な問題となりうるため、治療には時間がかかることがあります。しかし、「一生治らない」とは限りません。多くのケースでは、適切な治療方法と生活習慣の見直しにより、改善が可能です。一部の場合には、完全に治癒することもあります。
不眠症の種類
不眠症はその症状が現れる期間の長さによって、大きく2つの種類に分けられます。
不眠症について網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
>>不眠症の基本について!症状の種類から治療法まで幅広く解説
一過性不眠症
環境の変化やストレスなどの一時的な原因によって起こる不眠症です。新しい仕事が始まる前夜、緊張でなかなか寝付けないなどといった場合も、一過性不眠症の一種となります。
一過性不眠症は原因が解消されれば自然と眠れるようになることがほとんどで、心配する必要はありません。
慢性不眠症
3ヶ月以上も不眠の症状が続き、毎日ぼんやりとした辛さがでる不眠症です。
慢性不眠症の原因は長期間のストレスや不安、うつ病などの心の問題、睡眠時無呼吸症候群などの身体的な病気です。
体や心のバランスが崩れてしまった結果、眠りのリズムも乱れてしまいます。
不眠症の原因
不眠症の原因は、人それぞれ異なります。ここでは、代表的な原因を6つご紹介します。
ストレス
仕事や人間関係の悩み、将来への不安などでストレスがたまると、脳が興奮状態になり、眠りにつきにくくなります。
生活習慣の乱れ
私たちの身体は、本来、太陽の光を浴びると目覚め、日が沈むと自然と眠くなるようにできています。夜更かしや不規則な生活によって、このリズムが崩れると、不眠症を引き起こしやすくなるのです。
身体的な病気
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、まるで眠っている間に息苦しさを感じて、ぐっすり眠れない状態です。喘息やアトピー性皮膚炎などの慢性的な病気も、その症状によって睡眠がさまたげられ、不眠症を引き起こすことがあります。
精神的な病気
うつ病や不安障害などは、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、睡眠に大きな影響を与えます。
薬の副作用
風邪薬やアレルギー性鼻炎の薬など、私たちが普段服用する薬の中には、不眠を引き起こす可能性のあるものがあります。薬の成分が、意図せず睡眠を調整する脳のはたらきに影響を与えてしまうことがあるのです。
カフェインやアルコールの影響
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、脳を覚醒させるはたらきがあるため、寝る前に摂取すると不眠につながります。また、アルコールは睡眠の質を低下させ、不眠症を悪化させる可能性があります。
不眠症の診断方法と検査
「最近、よく眠れない日が続く…」「もしかして自分は不眠症かも…」そう感じたら、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師に相談することが大切です。適切な診断を受けることで、初めて適切な治療、改善策に進むことができます。
不眠症の診断基準
不眠症の診断には、医師があなたの症状や生活習慣などを詳しく聞き取り、国際的に認められた基準に基づいて総合的に判断します。主な診断基準は「睡眠障害国際分類(ICSD-3)」や「アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)」などです。
「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝早くに目が覚めて、その後眠れない」といった症状が、週に3回以上、3か月以上続いている場合、不眠症と診断される可能性があります。これらの基準はあくまでも目安で、診断に重要なのは、睡眠に関する悩みがあなた自身の生活の質を低下させていないかということです。日中の集中力低下や倦怠感、イライラなど、日常生活に支障が出ている場合は、迷わず医療機関に相談しましょう。
不眠症の検査と評価方法
不眠症の検査では、はじめに医師による問診がおこなわれ、現在の症状、睡眠習慣、持病、服用中の薬などについて詳しく聞かれます。問診に加えて、より客観的なデータを得るために、以下のような検査がおこなわれることもあります。
- 睡眠日誌: 毎日、睡眠時間や起床時間、眠気を感じた時間などを記録します。
- 睡眠ポリグラフ検査: 脳波や心電図、呼吸などを一晩かけて測定し、睡眠の状態を詳しく分析します。
- アクティグラフィー: 腕時計型の装置を装着し、睡眠時間や睡眠中の体の動きを測定します。
- 血液検査: 甲状腺機能や鉄欠乏性貧血など、不眠症の原因となる可能性のある病気がないかを調べます。
これらの検査結果と問診の内容を総合的に判断し、医師が適切な診断をおこないます。
不眠症の治療法と改善方法
夜にぐっすり眠れない日が続くと、心身ともに疲弊し、日中の活動にも支障をきたすことがあります。「不眠症は一生治らないのでは…」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、不眠症は適切な治療や生活習慣の改善によって症状を和らげ、再び質の高い睡眠を取り戻せるケースが多いです。
不眠症の治療法と改善方法について、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
不眠症の治療薬とその効果・副作用
不眠症の治療薬は 大きく分けて「睡眠導入剤」と「睡眠維持剤」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
睡眠導入剤
睡眠導入剤は、なかなか寝付けない時に、眠りの入り口までスムーズに導いてくれる薬です。睡眠導入剤は、効果の持続時間や作用の仕方が異なる様々な種類があります。
薬剤名 | 作用時間 | 効果の特徴 | 具体例 |
ベンゾジアゼピン系 | 短~中時間 | 効果が現れやすく、即効性がある | 仕事のストレスで一時的に寝付けない場合に処方されることがあります。 |
非ベンゾジアゼピン系 | 短~中時間 | 依存性が低く、翌日に残る影響が少ない傾向がある | 長期間の使用が必要な場合や、依存性が気になる方におすすめです。 |
メラトニン受容体作動薬 | 短時間 | 体内で自然に分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」に似たはたらきをする | 時差ボケの改善にも用いられます。 |
睡眠維持剤
睡眠維持剤は、夜中に途中で目が覚めてしまう問題を解決し、夜を通して長く眠れるようにサポートしてくれる薬です。睡眠維持剤にも、効果の持続時間や作用の強さに違いがあります。
薬剤名 | 作用時間 | 効果の特徴 | 具体例 |
ベンゾジアゼピン系 | 中~長時間 | 強い効果があり、睡眠時間の延長効果が期待できる | 早朝覚醒が顕著な場合や、睡眠時間が極端に短い場合に処方されることがあります。 |
非ベンゾジアゼピン系 | 中~長時間 | 依存性が低く、日中の眠気などの副作用が少ない傾向がある | 日中に活動することが多い方や、車の運転をする方に向いている場合があります。 |
オレキシン受容体拮抗薬 | 中時間 | 覚醒を維持する神経伝達物質「オレキシン」のはたらきを抑える | 他の睡眠薬の効果が不十分な場合や、ナルコレプシーの治療にも用いられます。 |
睡眠薬を使用する際の注意点
- 睡眠薬は、医師の指示に従って、適切な量と期間を守って服用することが大切です。自己判断で服用を中止したり、量を増やしたりすることは大変危険です。必ず医師の指示に従いましょう。
- 睡眠薬には、眠気、ふらつき、依存性などの副作用が現れる可能性があります。副作用が気になる場合は、自己判断せずに、必ず医師に相談するようにしてください。
不眠症の非薬物療法と生活習慣改善
薬を使わずに不眠症を改善する方法もあります。大きく分けて「認知行動療法」と「睡眠衛生の改善」の2つがあります。
認知行動療法
認知行動療法は、睡眠に関する間違った考え方や行動パターンを修正していく治療法です。 認知行動療法には、以下のような具体的な方法があります。
- 睡眠制限療法
睡眠時間を意図的に制限することで、睡眠効率を高め、眠りの質を改善させます。
例:もしあなたが毎日8時間ベッドで過ごしていても、実際の睡眠時間が6時間だったとします。この場合、睡眠制限療法では、最初のうちは睡眠時間を6時間に制限し、その後徐々に時間を延ばしていくことで、睡眠効率を高めていきます。 - 刺激制御療法
寝室は睡眠をとるためだけの場所と決めるなど、睡眠に関する行動パターンを調整します。
例:寝室では寝ること以外(スマホ、読書、テレビなど)は一切行わず、眠れない時は寝室から出て、眠気が来るまで別の部屋で過ごすようにします。 - リラクゼーション法
筋肉をリラックスさせたり、呼吸を整えたりすることで、心身のリラックス状態を作り出し、入眠を促します。
例:腹式呼吸やヨガ、瞑想などを通して、心身をリラックスさせ、穏やかな状態で眠りにつけるように促します。 - 認知療法
不眠に対する不安や心配などのネガティブな感情や思考を、より現実的なものへと変えていくことで、不眠の悪循環を断ち切ります。
例:「また眠れないかもしれない…」という不安を、「眠れなくても、明日一日過ごせるだけの体力は残っている」というように、より現実的で肯定的な思考へと変えていくことで、不安を軽減し、睡眠へのプレッシャーを減らしていきます。
睡眠衛生の改善
睡眠衛生とは質の高い睡眠を得るために、日常生活における習慣を見直すことです。睡眠衛生を改善するための具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 規則正しい生活
毎日同じ時間に起床・就寝することで、体内時計を整えます。私たちの体内時計は、朝、太陽の光を浴びることでリセットされ、約24時間のリズムを刻んでいます。毎日同じ時間に起床し、太陽の光を浴びることで、体内時計を整えて自然な睡眠覚醒リズムが取り戻されるのです。 - 適度な運動
日中に適度な運動をすることで、心身の緊張を和らげ、質の高い睡眠を促します。運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促進する効果があります。ただし、就寝直前の激しい運動は避けるようにしましょう。 - 食事
夕食は寝る3時間前までに済ませる、寝る前にカフェインやアルコールを摂取しないなど、食事の内容や時間に気を配ることで睡眠の質を改善させます。夕食が遅くなると、消化活動のために胃腸が活発にはたらき、睡眠のさまたげになることがあるからです。 - 入浴
就寝前にぬるめのお風呂にゆっくりと浸かることで、心身をリラックスさせ、スムーズな入眠を促します。入浴は身体の深部の体温を上昇させ、その後体温がゆっくりと下がっていく際に、眠気が誘発されやすくなります。 - 寝室環境
寝室の温度や湿度を適切に保つ、光や音を遮断するなど、快適な睡眠環境を整えることで質の高い睡眠をとります。寝室の温度は夏は25~28度、冬は15~19度が適温と言われています。湿度は50~60%が最適です。
不眠症の治療法は、患者さんの症状や生活習慣、重症度などによって異なってきます。重要なのは、自己判断で治療法を選択するのではなく、医師に相談し、自分に合った治療法を見つけることです。
不眠症と他の疾患との関係性
不眠症は、体と心のさまざまな病気と密接に関係していることがわかっています。「ただの不眠症」と安易に考えずに、専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
不眠症と心身の疾患の関連性
不眠症は、心の病気を抱えている可能性があります。 気分が落ち込んで何もやる気が起きないうつ病や、強い不安や恐怖に襲われる不安障害の患者さんでは、不眠を訴える方が非常に多いです。 心の不調が自律神経のバランスを乱し、睡眠ホルモンの分泌や睡眠・覚醒のリズムに影響を与えていると考えられます。
不眠症と生活習慣病の関連性
不眠症は、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病と不眠症にも関係性があります。 睡眠不足は、食欲をコントロールするホルモンの分泌に影響を与え、過食や高カロリーな食事に走らせてしまう可能性が高いです。 また、睡眠不足により自律神経のバランスが崩れると、血糖値や血圧のコントロールが難しくなり、動脈硬化の原因にもなります。
不眠症に効果的な睡眠環境の改善方法
「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝早くに目が覚めてしまい、その後眠れない」このような悩みを抱えている方は、もしかしたら睡眠環境が原因かもしれません。睡眠の質を高めるためには、快適な睡眠環境を整えることがとても大切です。
睡眠環境の整え方と効果的な睡眠環境具
睡眠環境を整えるためには、まず寝室の環境を見直してみましょう。寝室は、睡眠に集中できる、リラックスできる空間であることが理想です。
室温・湿度・照明
- 室温: 夏は暑すぎず、冬は寒すぎない温度に保つことが大切です。一般的には、15~20℃くらいが快適な温度と言われています。暑くて寝苦しい夜は、エアコンで室温を調整したり、涼しい素材のパジャマを着たり、通気性の良い寝具を使うと良いでしょう。逆に、寒くて寝付けない場合は、湯たんぽや電気毛布で体を温める、厚手の布団を使うなどの工夫をしてみましょう。
- 湿度: 乾燥しすぎると喉や鼻を痛め、ジメジメしすぎると寝苦しさを感じます。50~60%くらいを目安に、加湿器などを活用して調整しましょう。乾燥が気になる場合は、洗濯物を部屋干しするのも効果的です。
- 照明: 就寝前は、部屋の照明を暗くして、リラックスできる環境を作りましょう。蛍光灯の青白い光よりも、暖色系の照明の方がリラックス効果が高いと言われています。また、スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑えてしまうため、就寝1時間前からは見ないようにしましょう。最近では、ブルーライトをカットする眼鏡なども販売されているので、試してみるのも良いかもしれません。
音・匂い
- 音: 睡眠の妨げになるような音は、できるだけ遮断しましょう。車の音や周りの生活音が気になる場合は、耳栓を使うと効果的です。また、雨の音や波の音など、自然の音にはリラックス効果があると言われています。これらの音を収録したCDやアプリもあるので、活用してみましょう。
- 匂い: リラックス効果のあるアロマを焚いたり、アロマオイルを枕に垂らしたりするのも良いでしょう。ただし、香りが強すぎると逆効果になってしまうこともあるので、注意が必要です。ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果の高い香りがおすすめです。
寝具
- 布団やマットレス: 身体に合ったものを選び、心地よい寝姿勢を保てるようにしましょう。硬すぎるマットレスは体が痛くなってしまう反面、柔らかすぎるマットレスは体が沈み込みすぎて、腰痛の原因になることがあります。自分の体型や睡眠姿勢に合ったものを選びましょう。
- 枕: 高すぎても低すぎても首や肩に負担がかかってしまうため、自分に合った高さの枕を選びましょう。横向きで寝る人は、高めの枕が良いでしょう。仰向けで寝る人は、低めの枕がおすすめです。
- パジャマ: 締め付けの少ない、ゆったりとした素材のものを選びましょう。シルクやコットンなど、吸湿性・通気性の良い素材がおすすめです。
効果的な睡眠環境具
上記のような環境づくりのために、様々なグッズを活用するのも良いでしょう。
- 遮光カーテン: 光を完全に遮断することで、体内時計を整え、質の高い睡眠を得やすくなります。
- 耳栓: 騒音による睡眠のさまたげを防ぎます。
- 加湿器: 乾燥を防ぎ、快適な湿度を保ちます。
- アロマディフューザー: リラックス効果のある香りを拡散させます。
- アイマスク: 光を遮断し、睡眠を促します。
- ホワイトノイズマシン: 環境音によって睡眠の質を向上させる効果が期待できます。川のせせらぎ音や雨音など、自然の音を流すものが一般的です。
睡眠環境と睡眠の質の関係
睡眠環境を整えることで、睡眠の質が高まります。質の高い睡眠は、日中の活動意欲や集中力を高め、心身の健康を維持するために欠かせません。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、日中の眠気、集中力・注意力の低下、疲労感、倦怠感、イライラしやすくなる、食欲が増す、免疫力の低下などを引き起こす可能性があります。また、睡眠不足が続くと、バッテリー切れを起こし、心身に様々な不調が現れます。睡眠に問題を抱えている方は、睡眠環境を見直し、自分に合った改善策を試してみることが大切です。
不眠症の専門医と病院の選び方
不眠症は、風邪のように自然に治る場合もありますが、放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。「たかが不眠症」と安易に考えず、症状が続く場合は、専門医に相談することをおすすめします。
不眠症の専門医の役割と選び方
不眠症の専門医は不眠の原因を突き止め、最適な治療法を提案してくれる「睡眠の専門家」です。
自分に合った不眠症の専門医をみつけるポイントは大きく分けて2つあります。
専門性を見極める
- 日本睡眠学会認定医: 睡眠医療に関する豊富な知識と経験を持つ医師に与えられる資格です。この資格を持つ医師は、日本睡眠学会のホームページで検索できます。
- 精神保健指定医: うつ病などの心の病気が原因で不眠症になっている場合は、精神科領域の専門医である精神保健指定医の診察も有効です。心の不調と不眠の関係を見極め、適切な治療につなげてくれます。
- その他: クリニックによっては、「睡眠医療認定医」や「睡眠障害専門医」といった独自の資格を設けている場合があります。クリニックのホームページで確認したり、直接問い合わせてみましょう。
診療体制や治療方針をチェックする
- 診療時間: 仕事や家事、育児などで忙しい方でも通いやすいよう、夜間診療や土日診療をおこなっているクリニックを選ぶと良いでしょう。
- 治療方針: 睡眠薬だけに頼るのではなく、睡眠衛生指導や認知行動療法など、薬を使わない治療法にも力を入れているクリニックがおすすめです。 あなたのライフスタイルや症状に合わせた治療法を提案してくれるでしょう。
- セカンドオピニオン: セカンドオピニオンとは、他の医師の意見を聞くことです。治療方針に迷った時や、別の視点からの意見を求めたい時に役立ちます。セカンドオピニオンを受け付けているクリニックかどうか、事前に確認しておきましょう。
不眠症専門の病院やクリニックの探し方
不眠症専門の病院やクリニックを探すときは以下の方法を試してみてください。
インターネットで検索する
「不眠症 専門医 〇〇(お住まいの地域名)」などのキーワードで検索してみましょう。日本睡眠学会のホームページでは、都道府県別に認定医を検索できます。
医療機関に問い合わせる
お近くの病院やクリニックに、睡眠外来があるか、不眠症の専門医がいるかなどを問い合わせてみましょう。
かかりつけ医に紹介してもらう
かかりつけ医がいる場合は、適切な医療機関を紹介してもらうと安心です。
不眠症の治療法に対する期待と課題
不眠症の治療は、個々の患者さんの状態に合わせて、最適な治療法を選択することが重要です。最新治療や研究の成果に期待が高まる一方で、いくつかの課題も残されています。
期待されることとしては、
- 個別化医療の進展: 個々の患者さんの体質や症状に合わせた、オーダーメイド治療のように、より効果的な治療法の開発が期待されています。
- 新しい薬の開発: 副作用の少ない、効果の高い睡眠薬の開発が期待されています。
- デジタルヘルスの活用: スマートフォンアプリなどを活用した、睡眠の質を向上させるための新しいサービスの開発が期待されています。
課題としては、
- 治療費用の問題: 最新の治療法のなかには、保険適用外のものもあり、治療費用の負担が大きい場合があります。
- 専門医不足の問題: 不眠症の治療に精通した専門医が不足している地域もあります。
- 治療法の選択: 不眠症の原因や症状は人それぞれ異なるため、最適な治療法を見つけることが難しい場合があります。
これらの課題を解決するために、国や医療機関による取り組みが進められています。オンライン診療や遠隔医療といった技術を活用することで、専門医不足の解消や治療費用の負担軽減などが期待されています。また、企業や大学による睡眠に関する研究開発も進んでいるため、効果の高い新しい治療法や予防法の確立が期待できるでしょう。
まとめ
不眠症の原因は複雑に絡み合い、個人差が大きいものです。治療には原因を探し当てて、適切な対処法をみつけていくことが重要です。不眠症は、決して諦めるべきものではありません。専門医の力を借りながら、自分自身の睡眠パズルを解き明かし、質の高い睡眠を取り戻しましょう。
参考文献
- Gao Y, Liu M, Yao L, Yang Z, Chen Y, Niu M, Sun Y, Chen J, Hou L, Sun F, Wu S, Zhang Z, Zhang J, Li L, Li J, Zhao Y, Fan J, Ge L and Tian J. “Cognitive behavior therapy for insomnia in cancer patients: a systematic review and network meta-analysis.” Journal of evidence-based medicine 15, no. 3 (2022): 216-229. PubMed
- 153件の無作為化試験のシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシスによる不眠症薬の比較効果と安全性の検討 PubMed
- 慢性不眠症を患う中年女性における有酸素運動トレーニングが睡眠と体温に与える影響:ランダム化比較試験 PubMed
- 小児における不眠症状、不安定な睡眠、および認知・行動に及ぼす影響:Restless Legs SyndromeとRestless Sleep Disorderの検討 PubMed
- Hope for treating sleep disorders, no pills required
- Insomnia: The Latest Research
- What Are the Different Types of Insomnia?
- Insomnia
監修者情報