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不眠症とは?症状や原因、治し方を解説

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

不眠症とは

不眠症とは

不眠症は、なかなか寝付けなかったり、早朝に目が覚めてしまったりするなどの症状が1ヶ月以上続く病気です。よく眠れないため、日中の眠気や注意力の散漫などがみられます。

身近な病気であり、日本人の約5人に1人が不眠症だといわれています。20〜30代で始まり、加齢によって患者が増加する傾向です。特に、40〜60歳の患者数が急激に増加しています。

不眠症を放置すると、頭痛やめまいなどさまざま症状が現れます。生活習慣病にかかるリスクが高まるなどの危険もあるため、クリニックを受診して早めに治療することが必要です。

不眠症の原因

不眠症の原因

1.心理的原因

何らかのストレスが引き金となり、不眠症を発症する可能性があります。主に、以下の要因が考えられます。

  • 人間関係の悩み
  • 仕事上の問題
  • 家族や友人の死

心理的原因によって不眠症を引き起こしている場合は、誰かに相談するなどして悩みを吐き出すのが良いでしょう。

相談できる人がいない場合は、心療内科によるカウンセリングを受けるのも1つの方法です。カウンセラーと対話することで、落ち着いて悩みを打ち明けられます。

2.身体的原因

体の病気や症状が原因で、不眠症が起こる場合があります。

例えば、蕁麻疹や関節リウマチなど、かゆみや痛みをともなう病気は、症状が気になりなかなか寝付けない方が多いです。頻尿や喘息などが原因で、まとまった睡眠時間を確保できずに不眠症に悩むケースも考えられます。

身体的原因によって不眠症が起こる場合は、まずは病気を治療することが大切です。症状が緩和することで、寝付きやすくなったり睡眠時間を確保できたりします。

3.精神医学的原因

不眠症の原因は、精神的なものによる可能性が高いです。

特に注意したいのは、うつ病です。うつ病と診断された方の多くは、不眠を経験している傾向にあります。睡眠の質が低下したり、眠る時間が不足したりすることで、うつ病の症状が悪化する恐れもあるほどです。

「1日中憂鬱な気分」「何をしても楽しめない」という方は、うつ病の可能性があります。クリニックや心療内科を受診し、早めに治療を受けることをおすすめします。

4.生理学的原因

置かれている環境によっては、不眠症を発症する恐れがあります。一例は、以下の通りです。

  • 受験勉強や夜勤シフトによる生活リズムの乱れ
  • 海外旅行・出張による時差ボケ
  • 近隣住民による騒音・振動

特に、ライフスタイルが大きく変わる出来事は、睡眠機能の低下につながります

生理学的原因による睡眠障害は、少しでも眠りやすい環境を作ることが大切です。例えば、就寝前にハーブティーを飲んだり、騒音が気になれば耳栓をしたりなどしましょう。

5.薬理学的原因

服用している薬によって、不眠症を発症する可能性があります。特に、抗がん剤やステロイドなどは不眠を引き起こすケースが見受けられます。

服用している薬が睡眠障害の原因となっている場合は、かかりつけの病院・クリニックで、薬を変えてもらえないか相談してみましょう。

さらに、アルコールやカフェイン、ニコチンなどが不眠症の原因となる可能性があります。特に、カフェインはコーヒーや緑茶などの身近な飲料に含まれるので注意が必要です。

不眠症のタイプと症状

不眠症のタイプと症状

1.入眠困難

ベッドや布団に入っても、なかなか寝付けないタイプです。眠りにつくのは、30分〜1時間以上かかる傾向にあります。

不眠症を訴える人の多くが、入眠困難です。ストレスなどにより不安や緊張を強く感じるときに起こりやすいといわれています。

2.中途覚醒

中途覚醒の特徴は、睡眠中に何度も目が覚めてしまうことです。1度目が覚めると、その後なかなか寝付けないことも症状として挙げられます。

中途覚醒は、中高年や高齢者に多く見られる不眠症のタイプです。加齢とともに睡眠が浅くなる傾向にあり、ちょっとした物音や尿意で目が覚めやすくなります。

3.早朝覚醒

早朝覚醒は、起きようと思っているよりも2時間以上早く目が覚めてしまう症状です。中高年や高齢者に多く見られるタイプであり、中途覚醒とともに起こることが多いです。

加えて、うつ病が原因で早朝覚醒が起こるケースがあります。同時に体の重さや倦怠感を感じる場合が多いです。

4.熟眠障害

7〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保できているものの、ぐっすり眠った感じがないのは、熟眠障害の可能性が高いです。騒音や振動などで目が覚めてしまったり、睡眠が浅かったりする場合に起こりやすいです。

熟眠障害は、眠っている間に呼吸の障害が起こる「睡眠時無呼吸症候群」が原因の可能性があります。加えて、睡眠中に足が動く「四肢運動障害」が関係していることも考えられます。

不眠症の診断・検査方法

不眠症の診断・検査方法

「なかなか寝付けない」「眠りが浅い」と感じる場合は、不眠症である可能性が高いです。不眠症が疑わしい場合は、内科や心療内科による診察を受けましょう。

なお、事前にセルフチェックをおこなうと、問診で症状を伝えやすくなります。主に、以下の項目に当てはまっていないか確認してみてください。

  • 日中気が付くと眠っている
  • 寝ている間に呼吸が止まっていることを指摘される
  • 自分の大きないびきで目が覚めることがある
  • 車の運転中や仕事中に強い睡魔に襲われる
  • 起床したときに心当たりのないあざ・傷がある
  • 心疾患や肺疾患を抱えている
  • 睡眠中に歩き回っていることを指摘される

家族と同居している方は、自分の睡眠時の状況を聞くことをおすすめします。

また、眠れない原因は、不眠症だけではなく他の病気が隠れていることもあります。そのため、血液検査や脳MRI、睡眠時無呼吸症候群の検査をともなう場合があることも頭に入れておきましょう。

不眠症は自力で治る?2つの治し方

不眠症は自力で治る?2つの治し方

1.生活環境の改善

不眠症を治すには、生活環境の改善が必須です。

まずおこないたいのが、寝室の環境を整えることです。例えば、遮光カーテンや冷暖房器具を導入し、光を遮ったり寝心地の良い温度を保ったりしましょう。

さらに、就寝前にテレビやスマートフォンを見るのは控えることも重要です。ブルーライトには脳を活性化させる作用があるため、睡眠の質が低下してしまいます。

2.薬による治療

生活環境を改善しても症状が良くならない場合は、薬による治療を検討しましょう。ただし、薬にはさまざまな種類があるので、症状や副作用などを加味して医師に判断をゆだねることをおすすめします。

なお、薬による治療をおこなっても、生活環境の改善は引き続きおこなっていくことが大切です。服薬し続けていた不眠症治療薬を突然中止したことにより、かえって不眠症状が強く出てしまう場合があるためです。

加えて、症状が緩和したからといって、自己判断で薬の服薬をやめないようにしましょう。長期的に服用していた薬の服用を急に中止すると、離脱症状という心身の不調を引き起こす恐れがあるからです。医師の判断に従い、少しずつ薬の量を調整することが大切です。

不眠症の対策方法

不眠症の対策方法

不眠症を予防するなら、生活習慣・環境の見直しが大切です。例えば、主に以下の行動が挙げられます。

  • 朝に太陽の光を浴びる
  • 昼寝は午後に30分間までにする
  • 寝る前にテレビやスマートフォンを見すぎない
  • 就寝前にお酒を飲まない
  • 眠りやすい寝具を使う

このように日々の生活における心がけで、不眠症は対策できます。生活リズムを整えたり、就寝環境を整えたりして、質の良い睡眠を取りましょう。

不眠症で何科にかかるべきか迷ったらてらすクリニックへご相談ください

不眠症で何科にかかるべきか迷ったらてらすクリニックへご相談ください

不眠症は、日本人の約5人に1人がかかるといわれている身近な病気です。症状が続くと、日中の眠気による集中力の低下や食欲不振、免疫の低下などの悪影響をおよぼします。生活習慣病やうつ病などの発症のリスクがあるため、早めの治療が必要です。

とはいえ、不眠症と一言でまとめても、入眠困難や中途覚醒などさまざま症状が見受けられます。加えて、原因によって治療内容が異なるため、症状を改善するにはまずは医師の診察を受けましょう

不眠症で何科にかかるべきか迷ったら、ぜひ「てらすクリニック」へご相談ください。Web予約から空き時間を確認いただけるとスムーズです。