咳が止まらなくて寝れないときの対処法|子供向けの方法や即効性のある方法も紹介
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夜眠れないほど咳が止まらず苦しい思いをしたことはありますか? 咳は風邪の症状として一般的ですが、実はさまざまな病気のサインである可能性も潜んでいます。
咳喘息や、恐ろしい病気も潜んでいるかもしれません。安易に考えて放置してしまうことは大変危険です。この記事では、咳の原因となる病気や咳の種類、特徴、効果的な対処法を紹介します。
咳に悩まされている方はもちろん、咳が気になっている方も正しい知識を身に付けてください。
墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、長引く咳や喘息の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。
咳を止める効果的な対処法
咳が続くと体もつらいし、夜も眠れなくて本当につらいですよね。咳を止める効果的な対処法は以下のとおりです。
- 加湿や吸入を活用する
- 症状に合った市販薬を選ぶ
- 寝る環境や姿勢を変える
咳が出始めたらどんな咳なのか、原因を探ることが大切です。咳の原因を特定し適切な対処をすれば、つらい咳から解放され安心して眠れます。
加湿や吸入を活用する
咳が出始めたら、まずは自宅でできる対処法を試してみましょう。空気の乾燥は咳の大きな原因の一つです。乾燥した空気は喉の粘膜を刺激し咳を悪化させることがあります。効果的なのが部屋の加湿です。
加湿器や濡れたタオルを部屋に置いて、部屋の湿度を50%くらいに保ちましょう。喉の粘膜を守り、咳を鎮める効果が期待できます。温かい飲み物を飲むのも効果的です。温かい飲み物は喉を潤し体を温める効果があります。
気を吸入するのもおすすめです。洗面器にお湯を張り、タオルをかぶって蒸気を吸入してみてください。気道が潤って咳が和らぐ効果があります。
症状に合った市販薬を選ぶ
咳がつらいときは、市販薬も有効な手段です。
咳止め薬を選ぶ際には、まず自分の咳の種類を把握することが大切です。乾いた咳には、咳中枢に作用して咳反射を抑える「中枢性鎮咳薬」がおすすめです。湿った咳には、痰の分泌を抑制したり、排出を促進したりする「末梢性鎮咳薬」を服用しましょう。
咳止めには、痰を切る去痰薬や鼻水を抑える鼻炎内服薬、発熱を抑える解熱鎮痛薬もおすすめです。
寝る環境や姿勢を変える
寝る環境や姿勢を変えることは大切です。咳を抑えてゆっくり眠るためにできることは、以下のとおりです。
- 寝室の湿度を上げる
- 頭を高くして寝る
- 温かい飲み物を飲む
- 部屋を暗くして静かにする
咳が続くと夜も眠れず日中の活動にも影響が出てしまいます。ゆっくり眠って体力を回復するためにも、寝室の環境を整えることが大切です。乾燥した空気は咳を悪化させるため、寝る前に加湿器や濡れタオルで、湿度を50%くらいに保ちましょう。
寝る姿勢も重要です。仰向けで寝ると、気道が圧迫され咳が出やすくなることがあります。頭を高くして横向きに寝ることで、気道を確保し咳を軽減できます。寝る前に温かい飲み物を飲むと、喉を潤しリラックス効果も期待できます。
ホットミルクやハーブティーなどカフェインが含まれていないものがおすすめです。就寝前のスマホやパソコンの使用は控えましょう。ブルーライトは睡眠の質を低下させるだけでなく、交感神経を優位にし咳が出やすくなる可能性があります。
それぞれの方法を試しても咳が止まらなかったり長引いたりする場合は、早めに病院を受診しましょう。咳は重大な病気のサインであることもあります。自己判断せずに、医療機関を受診し適切な治療を受けてください。
咳が止まらない原因はさまざま
咳は風邪の代表的な症状の一つです。しかし、咳の原因は風邪だけではありません。咳を引き起こす病気は多くあり、中には命に関わる病気も潜んでいます。風邪だけじゃない咳を引き起こす病気や咳の種類を解説します。
風邪以外の咳を引き起こす病気
咳の原因となる病気は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 感染症: 風邪(感冒)やインフルエンザ、気管支炎、肺炎、百日咳など
- アレルギー: 気管支喘息や咳喘息、アレルギー性鼻炎など
- その他: 胃食道逆流症(GERD)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、心不全、薬剤性咳嗽など
咳が長引く場合は、風邪と安易に考えて自己判断せず、医療機関を受診し適切な検査を受けましょう。
咳の種類と特徴|乾いた咳・湿った咳を見分ける
咳には「乾いた咳」と「湿った咳」の2種類があります。咳の種類によって原因疾患が異なる場合があるので、自分の咳がどちらの種類なのかを知ることが大切です。
乾いた咳
乾いた咳とは、コンコンといった、痰を伴わない咳のことです。風邪の初期症状や空気の乾燥、ハウスダストやダニなどのアレルギーが原因で起こることが多いです。咳喘息や間質性肺炎、肺がんなどでも見られることがあります。
湿った咳
湿った咳とは、ゼーゼーといった、痰を伴う咳のことです。風邪の後半や気管支炎、肺炎など気管支や肺に炎症が起こり、痰が絡みやすくなっているときに多く見られます。咳は体からのサインです。自分の体と向き合い適切な対処をするように心がけましょう。
咳が長引く場合は要注意!受診の目安と病院の選び方
咳が長引くと「もう風邪は治ったはずなのに…」と不安になりますよね。咳が長引く場合は注意が必要です。風邪以外にも咳喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核、肺がんなどが隠れているケースがあるからです。
受診の目安と病院の選び方について解説します。
危険な症状6つを紹介
咳が長引く場合、ほとんどは自然に治癒していくことが多いですが、中には注意が必要な症状もあります。以下の6つの症状のいずれかが出た場合は要注意です。
- 3週間以上咳が続く:肺炎や気管支炎、咳喘息など
- 息苦しさや胸の痛みがある:肺炎や気管支炎、肺塞栓症など
- 高熱が続く:肺炎や気管支炎、インフルエンザなど
- 痰に血が混じる:結核や肺がん、気管支拡張症など
- 体重減少:結核や肺がん、慢性閉塞性肺疾患など
- 夜中に何度も咳で目が覚める:咳喘息、心不全など
早期発見・早期治療が、健康な生活を送るうえで大切です。上記のような症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。
咳が出始めたら内科を受診する
咳が出始めた際は、まずは内科を受診しましょう。内科では風邪やインフルエンザなどの一般的な病気から、肺炎などの呼吸器疾患まで幅広く診察してくれます。もし内科を受診して、咳喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、専門的な治療が必要と判断された場合は呼吸器内科を紹介してもらいましょう。
呼吸器内科は、肺や気管支などの呼吸器系の病気の専門医がいるので、より専門的な治療を受けられます。
子供の咳が3週間以上続く場合は受診する
子供の咳で特に注意が必要なのは、急性喉頭蓋炎やクループ症候群です。急性喉頭蓋炎は、喉の奥にある喉頭蓋という部分が細菌感染によって炎症を起こし、腫れ上がる病気です。
呼吸困難に陥りやすく窒息する危険性もあるため、緊急を要する病気の一つです。クループ症候群は、ウイルス感染によって喉頭や気管が炎症を起こし、腫れ上がります。息を吸うときに「ヒューヒュー」「ケンケン」といった笛を吹くような音がしたり、声がかすれたりする症状が出ます。
呼吸困難に陥りやすく、重症化すると命に関わる危険性もあるため注意が必要です。呼吸が苦しそうだったり、ゼーゼーという音がしたり、顔色が悪い場合は、すぐに病院を受診しましょう。保護者の方が注意深く観察し、いつもと様子が違うと感じたら、早めに病院を受診してください。
まとめ
咳は風邪だけでなく、喘息や肺炎、逆流性食道炎などさまざまな原因で起こります。咳が長引く場合は、自己判断せず医療機関を受診し適切な治療を受けることが大切です。
咳が3週間以上続く場合や息苦しさ、胸の痛みや血痰、体重減少を伴う場合は注意が必要です。咳の種類や症状に合った市販薬を選べますが、症状が改善しない場合は自己判断せずに病院を受診しましょう。
長引く咳の原因や対処法について知りたい方は以下の記事をご覧ください。喘息の概要についても別記事で紹介しているので、あわせて確認してみてください。
>>【医師監修】咳が止まらないのは危険!長引く咳の原因や対処法を徹底解説