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うつ病カウンセリングの効果的な選び方と活用法を紹介

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

「うつ病カウンセリングって実際はどうなの?」と、悩んでいる方も多いです。日本人の100人に1人が経験すると言われているうつ病の有効な改善策としてカウンセリングがあります。この記事では、効果的なうつ病カウンセリングの選び方と活用法を徹底解説します。自分に合う方法を見つけ、カウンセリングを効果的に活用しましょう。

墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、うつ病の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。
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うつ病カウンセリングの選び方3つのポイント

カウンセリングにはさまざまな種類やアプローチがあり、自分に合った方法を選ぶことが、治療の効果を最大限に引き出す鍵です。闇雲にカウンセリングを選んでしまうと、時間とお金の無駄になってしまうばかりか、症状が悪化してしまう可能性もあります。適切なカウンセリング選びは重要です。

3つのポイントに絞って、効果的なカウンセリングの選び方について解説します。

自分に合うカウンセリングがあるかどうか

うつ病のカウンセリングには、「認知行動療法」「精神力動療法」「対人関係療法」などがあります。それぞれのカウンセリングの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが、治療の成功へと導く重要なステップとなります。

保険適用されるかどうか

カウンセリングの費用は、基本的に自費診療となります。費用はカウンセラーや医療機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。しかし、医師の指示による特定の治療法(認知行動療法、精神分析療法など)の場合は、保険適用となる可能性があります。医療機関に相談し、保険適用の可否を確認しましょう。

オンラインに対応しているかどうか

オンラインカウンセリングは、自宅で気軽にカウンセリングを受けられるメリットがあります。特に、外出が難しい方や、近くにカウンセリングを受けられる場所がない方にはおすすめです。一方で、対面に比べて表情やニュアンスが伝わりにくいデメリットがあります。適切な環境を整えたり、カウンセラーとの連携をより意識したりする必要があります。

カウンセリングで期待できる効果

カウンセリングで期待できる効果は以下のとおりです。

  • 気持ちが楽になる
  • うつ病への理解が深まる
  • 無意識の行動や思考パターンに気づく
  • うつ病の再発予防ができる
  • 生活習慣を改善できる

気持ちが楽になる

抑圧された感情を吐き出すことで、心の負担が軽減され、気持ちが楽になります。プライベートなことを何年も話さず、重荷を背負っている場合、大きなメンタルケアになります。

うつ病への理解が深まる

うつ病の原因や症状、メカニズムについて学ぶことで、ご自身の状態を客観的に理解することができます。敵の正体を知り、攻略法を学ぶことと同義です。

無意識の行動や思考パターンに気づく

私たちは日常生活の中で、無意識のうちに特定の行動や思考パターンを繰り返しています。カウンセリングでは、うつ病にどのように影響しているのかを分析します。例えば、「いつも他人と自分を比べて落ち込んでしまう」という思考パターンに気づけば、その改善をするための具体的な方法を考え、実践していくことができます。

うつ病の再発予防ができる

ストレスへの対処法や気分転換の方法を身につけることで、うつ病の再発を予防できます。具体的な方法としては、マインドフルネス瞑想やリラクセーション法、趣味や運動など、自分に合った方法を見つけることが重要です。

生活習慣を改善できる

睡眠や食事、運動など、生活習慣の改善は、うつ病の症状緩和に寄与する可能性があります。カウンセリングでは、患者さんの生活スタイルに合わせた具体的な改善策を提案し、実行をサポートします。例えば、不眠に悩んでいる患者さんには、睡眠衛生指導を実施し、睡眠の質を高めるための具体的なアドバイスを提供します。

職場や学校への復帰につながる

うつ病で休職や休学をしている方にとって、職場や学校への復帰は大きな課題です。カウンセリングでは、スムーズな復帰をサポートするためのアドバイスやプランニング、リハーサルなどを行います。

うつ病におけるカウンセリングの種類

うつ病におけるカウンセリングの種類は以下のとおりです。

  • 認知行動療法
  • 精神力動療法
  • 対人関係療法
  • その他のカウンセリング手法

認知行動療法

認知行動療法は、「認知(考え方)」と「行動」に焦点を当て、うつ病の症状改善を目指す治療法です。ネガティブな思考パターンや行動を特定し、より健康的で建設的なものへと変えていくトレーニングを行います。「自分はダメな人間だ」という思考パターンを持っている場合、根拠を検証し、より現実的でバランスの取れた考え方に修正していく練習をします。

精神力動療法

精神力動療法は、過去の経験や無意識の感情が現在の症状に与えている影響を探求し、心の奥底にある葛藤やトラウマを解き明かすことで、心の状態の改善をサポートすることを目指します。

対人関係療法

対人関係療法は、対人関係のストレスがうつ病に与える影響に着目します。良好な人間関係を築くためのコミュニケーションスキルや問題解決能力を向上させることで、症状の改善を図ります。「人に頼ることが苦手で、いつも一人で抱え込んでしまう」という方には、アサーション(自分と他者を尊重した自己表現スキル)のトレーニングを行い、適切な自己主張ができるようにサポートします。

その他のカウンセリング手法

上記以外にも、来談者中心療法、森田療法※、芸術療法、遊戯療法など、さまざまなカウンセリング手法があります。それぞれのカウンセリング手法には特徴があり、ご自身の症状や性格、希望に合わせて最適な方法を選択することが重要です。医師と相談しながら、自分に合ったカウンセリングを見つけましょう。

※森田療法は、不安や恐怖に対する感情の制御ではなく、受け入れと行動を重視する治療法です。日本発祥の心理療法として特に適応障害や神経症に有効です。

自分に合ったカウンセラーを見つける方法

カウンセリングの効果は、カウンセラーとの相性に大きく左右されます。カウンセラーとの相性が良ければ、安心して自分の気持ちを打ち明け、深い対話を通して心の奥底にある問題を解決していくことができます。

信頼できるカウンセラーを見つけるための判断基準は、以下の4点です。

専門性と経験を確認する

うつ病のカウンセリング経験が豊富なカウンセラーを選ぶことで、より専門的で質の高いサポートを受けることができます。「うつ病専門」や「〇〇療法の専門家」など、専門分野が明確なカウンセラーを探しましょう。

カウンセラーの対応を見る

カウンセラーの対応も重要です。話を真剣に聞いてくれるか、共感してくれるか、質問しやすい雰囲気かなどを、初回面談で見極めましょう。

雰囲気を確認する

カウンセリングルームの雰囲気も、リラックスして話せるかどうかを左右する重要な要素です。落ち着く空間かどうか、話しやすい雰囲気かどうかなどをチェックしましょう。ホームページなどでカウンセリングルームの様子を確認できる場合もあります。

カウンセラーの評判を確認しておく

信頼できる情報源からカウンセラーの評判や情報を得るようにしましょう。医療機関のホームページや公的な機関のウェブサイトなどがおすすめです。口コミサイトの情報だけを鵜呑みにせず、複数の情報源を参考に、多角的な視点からカウンセラーを評価することが大切です。

自分に合うカウンセラーを見つけるためには、実際に話を聞いてみるのが一番です。初回面談を無料で行っている場合もあります。複数のカウンセラーと面談し、比較検討することで、自分に最適なカウンセラーを見つけられます。

うつ病は一度なると再発しやすい病気です。以下では、うつ病の再発に関して詳しく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
>>【医師監修】うつ病は再発しやすいって本当?再発のきっかけや仕事との向き合い方を解説

うつ病カウンセリングを効果的に活用する3ステップ

うつ病のカウンセリングを最大限に活用するために以下の3つのステップを意識した取り組みが重要です。

カウンセリングを受ける前の準備

カウンセリングを始める準備として、ゴールの設定・辿り着くためのロードマップを以下のように作成しましょう。

  1. 何に困っているのか、どんな風になりたいのかを具体的に書き出す
    「朝起き上がれない」「何もやる気が起きない」「食欲がない」などの悩みをリストアップしましょう。リストアップすることで、漠然とした不安を明確な課題に変換できます。
  2. どんな状態を目指したいのかを具体的に考える
    「朝スッキリと目覚め、仕事に行けるようになりたい」「趣味を再開し、以前のように楽しみたい」など、具体的な目標を設定しましょう。目標設定は、カウンセリングの指針となり、モチベーションを維持できます。
  3. カウンセリングの種類や費用、選び方を調べる
    インターネットで検索したり、医療機関に問い合わせたりすることで、自分に合ったカウンセリングを見つけやすくなります。

カウンセリング中の心構え

カウンセラーとの信頼関係を築くことが何よりも大切です。自分の気持ちを素直に伝えるように心がけましょう。「何を話せばいいのかわからない」と感じたら、そのまま正直に伝えてみてください。「うまく話せなくても大丈夫」と心の中で唱えながら、リラックスして話してみましょう。

カウンセラーとの相性が合わないと感じたら、他のカウンセラーに変えてもらうことも可能です。遠慮せずに自分の気持ちを伝えましょう。

カウンセリング後の生活改善と再発防止

カウンセリングで得た知識やスキル、自分自身への理解を活かして、より良い生活を築き、再発を予防していくことが大切です。具体的には、以下の点に注意してみましょう。

  • 生活リズムを整える:規則正しい睡眠、バランスの良い食事、適度な運動は、心の健康を維持するための土台です。
  • ストレスマネジメント:ストレスを溜め込まないよう、趣味やリラックスできる活動を見つけましょう。
  • 思考パターンの見直し:ネガティブな考え方に陥りやすい場合は、カウンセリングで学んだ方法を使って、思考のクセを修正していきましょう。
  • 周囲のサポート:家族や友人、職場の上司などに、自分の状況や気持ちを伝えることで、理解とサポートを得やすくなります。

必要に応じて、定期的にカウンセリングを受けることも有効です。カウンセリングは、心の健康を保つための頼もしいパートナーです。

まとめ

うつ病カウンセリングの種類と選び方、効果的な活用法を解説しました。カウンセリングは、認知行動療法、精神力動療法、対人関係療法などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。

自分に合ったカウンセラー、種類を選び、費用や保険適用についても確認が必要です。カウンセリングの効果を高めるには、事前の準備、カウンセリング中の心構え、カウンセリング後の生活改善と再発防止策の実践が重要です。具体的な目標設定や生活リズムの改善、周囲のサポートなどを活用し、心の健康維持に努めましょう。

うつ病だけでなく、適応障害についても解説している記事もあるので、気になる方は以下の記事をぜひご覧ください。
>>適応障害とうつ病の違いとは?適応障害からうつ病に移行することはあるの?

参考文献

平成29年 患者調査(厚生労働省)