気管支炎は何科で診てもらえる?大人と子供それぞれの対応や受診の目安を解説
「咳が止まらない、痰が出る...」そんな症状が続いていませんか?もしかしたら、気管支炎のサインかもしれません。気管支炎は適切な治療を受けないと、肺炎などの重症化のリスクがあります。しかし、どの診療科に受診すればいいのか迷いますね。 この記事では、気管支炎の受診に適した診療科や、大人と子供それぞれの対応、受診の目安について詳しく解説しています。正しい知識を身につけて適切な対応をすることで、気管支炎の早期発見と回復につながります。風邪だと自分で判断せずに、気になる症状があれば早めに医療機関に受診しましょう。 墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、気管支炎や喘息の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。 >>オンライン予約はこちらから 気管支炎は個々で最適な診療科が異なる 気管支炎の症状が現れたとき、適切な診療科に受診することが重要です。症状の重症度や患者の年齢によって、最適な診療科が異なる場合があります。以下に、気管支炎の診療に適した診療科と、病院選びのポイントを解説します。 気管支炎の診療に適した診療科 気管支炎の診療に適した診療科について、複数ご紹介します。 耳鼻咽喉科: 鼻や喉など気道の入り口付近の疾患を専門とする診療科です。気管支炎の初期症状である咳や喉の痛みに対応できます。また、副鼻腔炎や扁桃炎など、気管支炎に関連する合併症の診断も可能です。 内科: 体の内臓全般の疾患を幅広く診療する科です。気管支炎を含む呼吸器疾患の診断と治療が可能です。気管支炎に関連する他の内科の疾患(例:糖尿病による免疫低下)も同時に評価できる利点があります。 呼吸器内科: 呼吸器内科は、肺や気管支など呼吸器系の疾患を専門的に診療する科です。特に慢性気管支炎や、喘息を合併する気管支炎など、より専門的な診断や治療が必要な場合に適しています。 小児科: 小児の気管支炎は、成人とは異なる対応が必要な場合があります。小児科医は、子供の年齢や体格に応じた適切な診断と治療を行うことができます。 病院を選ぶうえでのポイント 気管支炎の診療を受ける際は、以下の点を考慮して病院を選択することをお勧めします。 専門性:呼吸器疾患に精通した医師がいるかどうかを確認しましょう。特に慢性気管支炎や合併症がある場合は、呼吸器内科のある病院を選ぶことが望ましいです。 アクセスの良さ:通院の負担を軽減するため、自宅や職場から行きやすい場所にある病院を選びましょう。 診療時間:仕事や学校の都合に合わせて受診できるよう、夜間診療や土日診療を行っている病院かどうかを確認しましょう。 設備:レントゲンやCTなどの画像診断設備が整っているかどうかを確認しましょう。これらの検査は、気管支炎の正確な診断と合併症の有無を確認するのに役立ちます。 評判:口コミサイトや知人の評価を参考にして、医師の説明が丁寧で、患者のあなたの答えに適切に答えてくれる病院を選びましょう。 医療機関に受診する目安 気管支炎の症状が現れた場合、次のような場合は医療機関の受診を検討しましょう。 咳が1週間以上続く場合 痰の量が多い、または色や粘性に変化がある場合 息苦しさや胸の痛みがある場合 38℃以上の発熱が続く場合 日常生活に支障をきたす症状がある場合 高齢者や乳幼児、慢性疾患(糖尿病、心臓病など)のある方は、症状が軽くても早めに受診をおすすめします。 気管支炎の早期発見と適切な治療は、合併症のリスクを減らし、回復を早めるために重要です。症状が気になる場合は、自分で判断せずに医療機関に受診し、専門医の診断を受けましょう。 大人と子供の診療科の違い 気管支炎の診療において、大人と子供では適切な診療科が異なる場合があります。 大人の場合 大人の場合は以下の3つの診療科がおすすめです。 耳鼻咽喉科 内科 呼吸器内科 これらの診療科は、成人の気管支炎に対して適切な診断と治療を提供します。特に、喫煙歴のある患者や慢性的な症状がある場合は、呼吸器内科の受診が推奨されます。 子供の場合 子供の場合は以下の2つの診療科のどちらかを受診しましょう。 小児科 小児呼吸器科(専門医がいる場合) 小児科医は、子供の成長段階や体格に応じた適切な診断と治療を行うことができます。特に、乳幼児の気管支炎は重症化のリスクが高いため、小児科での診療が望ましいです。 気管支炎の主な症状 気管支炎の症状は一つだけではありません。この章では、気管支炎によって引き起こされる主な症状について解説します。 咳 気管支炎の最も一般的な症状です。初期は乾いた咳から始まり、次第に痰を伴う湿性咳に変化することが多いです。咳は特に夜間や早朝に悪化する傾向があり、患者の睡眠を妨げることがあります。 痰 炎症によって気道の分泌物が増加し、痰として排出されます。痰の色や性状は、感染の種類や重症度によって変化します。 色 特徴 透明または白色 ウイルス性感染症や軽度の炎症 黄色または緑色 細菌感染の可能性 血痰 重度の炎症や他の疾患の可能性 呼吸困難 気管支の炎症により気道が狭くなり、息苦しさを感じることがあります。特に運動時や夜間に悪化することが多いです。 発熱:通常、38℃以下の微熱が続きますが、細菌感染を伴う場合は38℃以上の高熱が出ることもあります。 胸の痛みや快感:咳込むことによる筋肉痛や、炎症による胸の違和感を感じることがあります。 気管支炎の一般的な治療法 気管支炎の治療には、十分な休息を取り、水分を積極的に摂取することが大切です。体の回復を促進し、痰の排出を助けます。原因や症状の重症度によって異なりますが、治療法として用いられるアプローチは以下のとおりです。 薬物療法 症状や原因に応じて、以下の薬剤が処方されることがあります。 鎮咳薬:激しい咳による不快感を軽減します。ただし、痰を伴う咳を完全に抑制することはは避けるべきです。 去痰薬:痰の粘度を下げ、排出を促進します。 気管支拡張剤:気道を広げ、呼吸を楽にします。特に喘息を合併する場合に有効です。 抗生物質:細菌感染が疑われる場合にのみ使用します。ウイルス性気管支炎には効果がありません。 吸入療法 蒸気吸入や超音波ネブライライザーを用いた吸入療法は、気道の加湿と痰の排出を促進します。どちらも以下の効果があります。 気道粘膜の保護 排痰の促進 気道の炎症軽減 吸入療法の主な目的と効果は以下のとおりです。 気管支拡張 気道の炎症抑制 痰の排出促進 呼吸機能の改善 症状の緩和(咳、喘鳴など) 適切な吸入方法により、最大限の効果を得やすいです。 酸素療法 重度の呼吸困難がある気管支炎患者には、酸素投与が必要になることがあります。低酸素血症を伴う呼吸困難に対して酸素療法は非常に有効で、低酸素状態の改善とともに呼吸困難が軽減します。在宅でも酸素濃縮器を使用した在宅酸素療法が可能ですが、機器の限界に注意が必要です。 生活習慣の改善 気管支炎の治療には、全身の健康状態を改善する生活習慣の見直しも重要です。まず、禁煙は最も重要な対策の一つです。喫煙は気道炎症を悪化させ、呼吸器疾患のリスクを高めるため、禁煙を推奨します。適度な運動も効果的で、呼吸機能の改善や全身の免疫力を高めます。 気管支炎を悪化させないための対策 気管支炎は自然に治癒することもありますが、重症化すると肺炎などの合併症を引き起こす可能性があります。気管支炎の予防と適切な管理は、健康維持のために以下のような対策が不可欠です。 手洗い・うがいの徹底 ウイルスや細菌の感染を防ぐために、外出後や食事前など、手洗い・うがいが重要です。米国疾病管理予防センター(CDC)の研究によると、適切な手洗いは呼吸器感染症のリスクを21%低減します。 十分な睡眠 質の高い睡眠は免疫機能を強化します。アメリカ睡眠財団は、成人に1日7〜9時間の睡眠を推奨しています。 バランスのとれた食事 多様な栄養素を摂取することで免疫力が向上します。特に、ビタミンC、D、亜鉛を含む食品が効果的です。 適度な運動 週150分の中強度の有酸素運動が推奨されています。これにより、免疫機能が向上し、呼吸器感染症のリスクが低下します。 適切な湿度の維持 湿度を50〜60%維持することで、気道の健康を守ることができます。加湿器の使用が効果的です。 大気汚染対策 PM2.5などの大気汚染物質は気管支を刺激します。外出時のマスク着用や空気清浄機の使用が有効です。 禁煙 タバコは気管支を著しく傷つけます。世界保健機関(WHO)によると、禁煙後20分以内に血圧と脈拍が正常化し始め、数週間で肺機能が改善します。 「気管支炎はうつる病気なのか?」と、不安な方もいるのではないでしょうか。以下の記事では気管支炎と喘息の違いについても解説しているので、ぜひご覧ください。 >>気管支炎はうつる病気?主な症状や治療法、喘息との違いを徹底解説 まとめ 気管支炎は個々の症状によって、最適な診療科が異なります。気管支炎の診療に適した診療科は以下のとおりです。 大人:耳鼻咽喉科、内科、呼吸器内科 小児:小児科、小児呼吸器科(専門医がいる場合) 受診の目安は以下のとおりです。 咳が1週間以上続く 痰の量や性状に変化がある 息苦しさや胸の痛みがある 38℃以上の発熱が続く 日常生活に支障をきたす症状がある 気管支炎の早期発見と適切な治療は重要です。症状が気になる場合は、自分で判断せずに医療機関に受診しましょう。 咳が止まらないという方は、何かしらの病気の恐れもあります。危険な状態の可能性もあるため、適切に対処しなければなりません。以下の記事では、長引く咳の原因や対処法について解説しているので、ぜひご覧ください。 >>【医師監修】咳が止まらないのは危険!長引く咳の原因や対処法を徹底解説 参考文献 Dalziel SR, Haskell L, O'Brien S, Borland ML, Plint AC, Babl FE, Oakley E. "Bronchiolitis." Lancet (London, England) 400, no. 10349 (2022): 392-406. アジスロマイシンの急性気管支炎と喘鳴発作における有効性のシステマティックレビューとメタ分析. 中等度から重度の急性細気管支炎の子供における、高流量鼻カニューレと鼻プローブバブル式持続陽圧呼吸療法の比較:ランダム化比較試験.