GW明けに会社や学校に行けない――それは「怠け」ではなく、適応障害のサインかもしれません
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ゴールデンウィーク明けに、「会社に行こうとすると涙が出る」「学校のことを考えるだけでお腹が痛くなる」「朝、布団から起き上がれない」といった不調が出ることがあります。
この時期の不調は一般に「五月病」と呼ばれることがありますが、五月病は正式な病名ではありません。厚生労働省の「こころの耳」でも、GWを過ぎた頃に体調不良や意欲低下が出る状態として紹介され、医学的には「適応障害」や「抑うつ状態」と関係することが多いとされています。
適応障害とは?
適応障害とは、環境の変化や人間関係、仕事・学業上の負担などのストレスが、その人の順応力を超えたときに起こる心身の不調です。厚生労働省の「こころの耳」では、環境変化によるストレスが個人の順応力を超えたときに生じる情緒面・行動面の不調と説明されています。
たとえば、次のような変化がきっかけになることがあります。
新しい職場・学校になじめない
人間関係に強いストレスがある
異動、転職、進学、クラス替えがあった
仕事量や責任が急に増えた
期待に応えようとして無理を続けていた
連休中に緊張がゆるみ、休み明けに反動が出た
適応障害は、「気合いが足りない」「甘えている」という問題ではありません。ストレスに対して心と体が限界を知らせている状態です。
こんな症状はありませんか?
GW明けに次のような症状が続く場合、適応障害や抑うつ状態が背景にある可能性があります。
こころの症状
気分が落ち込む
不安が強い
涙が出る
イライラする
何も楽しめない
会社や学校のことを考えるだけでつらい
からだの症状
眠れない、朝早く目が覚める
食欲がない、または食べすぎる
頭痛、腹痛、吐き気
動悸、息苦しさ
強いだるさ
朝になると体調が悪くなる
行動の変化
遅刻や欠席が増える
仕事や勉強に集中できない
人と会うのを避ける
メールや連絡を見るのが怖い
ミスが増える
身だしなみや生活リズムが乱れる
MSDマニュアルでも、適応反応症では特定できるストレス因子への反応として、感情面や行動面の症状が現れると説明されています。
「行きたくない」と「行けない」は違います
休み明けに少し憂うつになることは、多くの人にあります。しかし、適応障害が疑われる場合は、単なる「行きたくない」ではなく、心身の反応として「行けない」状態になっていることがあります。
たとえば、出勤・登校しようとすると動悸がする、涙が止まらない、吐き気が出る、玄関で体が固まってしまう。このような場合、無理に頑張り続けることで不調が長引くことがあります。
大切なのは、「なぜ自分は弱いのか」と責めることではなく、「何が自分にとって強いストレスになっているのか」を一緒に整理することです。
受診を考えた方がよい目安
次のような状態がある場合は、心療内科、精神科、メンタルヘルス外来などへの相談をおすすめします。
会社や学校に行けない日が続いている
不眠や食欲低下が続いている
朝になると強い不安や身体症状が出る
涙が止まらない、気分の落ち込みが強い
仕事や学業、家事など日常生活に支障が出ている
「消えてしまいたい」「生きているのがつらい」と感じる
特に、自分を傷つけたい気持ちや死にたい気持ちがある場合は、ひとりで抱え込まず、すぐに周囲の人や医療機関、相談窓口につながることが大切です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSで相談できる窓口が紹介されています。
適応障害では「環境調整」が重要です
適応障害の治療では、原因となっているストレスを整理し、必要に応じて環境を調整することが大切です。厚生労働省の「こころの耳」でも、薬物療法だけでなく、環境調整、環境に慣れること、本人の順応力が高まることが回復に重要とされています。
たとえば、職場であれば以下のような対応が考えられます。
業務量を一時的に減らす
出勤時間を調整する
配置や担当業務を見直す
休職を検討する
産業医や人事担当者に相談する
診断書をもとに職場と調整する
学校であれば、担任、養護教諭、スクールカウンセラー、保護者が連携しながら、登校方法や学習負担を調整することがあります。
家族や周囲の人ができること
本人が「行けない」と訴えたとき、周囲はつい「少し頑張ってみたら」「みんな同じだよ」と励ましたくなるかもしれません。しかし、強い不調があるときの過度な励ましは、本人をさらに追い詰めることがあります。
まずは、次のような声かけが役立ちます。
「つらかったんだね」
「無理に理由を話さなくてもいいよ」
「一緒に相談先を探そう」
「今日は安全に休むことを優先しよう」
原因を問い詰めるよりも、安心して話せる環境をつくることが大切です。
自分でできるセルフケア
不調が軽い段階では、生活リズムを整えることも助けになります。
起きる時間を大きくずらさない
朝に光を浴びる
食事を抜かない
寝る前のスマホ時間を減らす
軽い散歩やストレッチをする
予定を詰め込みすぎない
つらさを紙に書き出す
信頼できる人に短く相談する
ただし、セルフケアだけで乗り切ろうとしすぎる必要はありません。眠れない、食べられない、涙が止まらない、出勤・登校できない状態が続く場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
まとめ
GW明けに会社や学校へ行けない状態は、単なる怠けではなく、適応障害や抑うつ状態のサインであることがあります。
大切なのは、「もっと頑張らなければ」と自分を責めることではありません。心と体が出しているサインに気づき、休養、相談、環境調整を行うことです。
つらさが続くときは、心療内科や精神科、学校・職場の相談窓口に早めにつながりましょう。早めに対応することで、回復への道筋を立てやすくなります。
GW明けの不調が続く方は、てらすクリニックひきふねへご相談ください
「会社や学校に行こうとするとつらい」「朝になると涙が出る」「眠れない・気分が落ち込む」といった症状が続く場合は、ひとりで抱え込まず、早めにご相談ください。
てらすクリニックひきふねでは、心療内科・精神科の診療を行っています。曜日による固定の休診日はなく、平日・土日祝も診療しているため、仕事や学校の予定に合わせて受診しやすい体制です。精神科専門医・精神保健指定医も在籍しており、適応障害、うつ病、不眠、不安、ストレスによる心身の不調などについてご相談いただけます。
初診の方もWeb予約が可能です。つらさが長引く前に、まずはお気軽にご予約ください。
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