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認知症の初期症状があるときはどうすればいい?チェックリストや対処法を解説

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あなたは、身近な人の様子が”いつもと違う”と感じたことはありませんか?物忘れが増えたり、同じ話を繰り返したりする変化を、単なる年齢のせいだと考えていないでしょうか。

実は、これらは認知症の初期症状かもしれません。認知症は早期発見・早期治療が重要で、適切な対応により症状の進行を遅らせることができます。この記事では、認知症の初期症状チェックリストや対処法を詳しく解説します。自分自身や大切な人のために、認知症について正しい知識を身につけ、早期発見・早期対応につなげましょう。

墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは高齢者外来をしており、認知症だけでなく、不眠症や腰痛で悩んでいる方の診療もしています。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。

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認知症とは認知機能の低下で日常生活に支障が出ること

認知症とは、脳の病気によって今まで当たり前にできていたことができなくなり、日常生活に支障が出る状態を指します。単なる物忘れとは異なり、脳の細胞がダメージを受けることで、記憶力や思考力など、さまざまな知的機能が低下する病気です。

認知症の特徴や症例、種類について紹介していきます。

認知症の特徴

認知症の特徴は以下のとおりです。

  • 脳の細胞のダメージによる知的機能が低下する
  • 日常生活に支障をきたす程度の症状がある
  • 進行性の病気であり、時間とともに症状が悪化する可能性がある

認知症の症状例は以下のとおりです。

  • 毎日作っていた料理のレシピを忘れる
  • 使い慣れた家電の操作方法が分からなくなる
  • 日付や時間が分からなくなる
  • 家族の顔が分からなくなる

認知症の主な種類

認知症の主な種類は以下のとおりです。

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症

認知症は完治が難しい病気ですが、早期発見と適切な治療・ケアにより、症状の進行を遅らせたり、生活の質を維持したりすることが可能です。例えば、薬物療法による脳の神経伝達機能の改善や、リハビリテーションによる残存能力の維持・向上が期待できます。

認知症の初期症状チェックリスト

認知症の早期発見には、初期症状の把握が重要です。以下のチェックリストを参考に、ご自身や周りの方の変化に気付いたら、専門医に相談することをおすすめします。

初期症状 よくある例
物忘れがひどくなった ・数分前に聞いた話を覚えていない

・同じ質問を繰り返す

・約束を忘れる頻度が増えた

時間や場所が分からなくなることがある

日常生活に支障が出ている

・今日の日付や曜日がわからない

・自宅にいるのに「ここはどこ?」と尋ねる

・よく知っている場所で道に迷う

・料理や掃除などの家事が困難になった

・身だしなみを整えるのが難しくなった

・仕事や趣味の継続が困難になった

同じ話を何度も繰り返す ・つい先ほど話したことを再度話し始める

・家族や友人に「その話は聞いた」と言われる

判断力が鈍くなった ・金銭管理が難しくなった

・契約内容の理解が困難になった

・詐欺被害に遭いやすくなった

人格の変化が見られる ・些細なことで怒りっぽくなった

・周囲に対して攻撃的になった

・不安感や被害妄想が強くなった

これらの症状が複数見られる場合、認知症の可能性があります。ただし、これらの症状は必ずしも認知症を意味するわけではなく、うつ病や他の疾患でも類似の症状が現れることがあります。正確な診断のためには、専門医による詳細な検査が必要です。

認知症の種類と原因

認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ原因や症状の特徴が異なります。主な認知症の種類について、認知症のタイプ別に解説します。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症全体の約7割を占める最も一般的な型です。脳にアミロイドβタンパク質が蓄積し、神経細胞の働きが低下します。

症状は以下のように段階別に分けられます。

  • 初期:軽度の物忘れ、時間や場所の見当識障害が出
  • 中期:日常生活に支障が出始める、感情の変化がある
  • 後期:身の回りのことが自力でできなくなる

血管性認知症

血管性認知症は、脳卒中(脳梗塞や脳出血)が原因で起こる認知症です。脳の血管が詰まったり破れたりして、脳細胞にダメージを与えます。血管性認知症の症状として、以下が挙げられます。

  • 突然発症することが多い
  • 症状に波がある(良くなったり悪くなったりする)
  • 運動障害や言語障害を伴うことがある

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体と呼ばれる異常なタンパク質が蓄積する病気です。パーキンソン病に似た症状と認知症症状が混在しています。レビー小体型認知症の症状としては、以下が挙げられます。

  • 注意力や集中力の低下
  • 具体的な幻視(実際にはないものが見える)
  • パーキンソン病様の症状(動作が遅くなる、歩行障害など)

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮する病気です。比較的若い年齢(50〜60代)で発症することが多いです。前頭側頭型認知症では、以下の症状を発症することがあります。

  • 性格や行動の変化(抑制が効かない、同じ行動を繰り返すなど)
  • 言語障害(言葉が出にくい、意味が分からない言葉を使うなど)
  • 記憶障害(比較的軽度な症状)

これらの認知症は、それぞれ異なる特徴と症状を持っていますが、複数の型が合併することもあります。正確な診断と適切な治療のためには、専門医による詳細な検査と評価が必要です。

認知症を予防したい方は、普段の日常生活の習慣も大切です。おすすめの食べ物やトレーニングもあります。以下の記事で詳しく紹介しているので、是非参考にしてください。
>>認知症予防のポイント7選|おすすめの食べ物や今からできるトレーニングを紹介!

認知症を疑ったときの対処法

認知症の可能性を感じたら、早めに専門医に相談することが重要です。以下に、認知症を疑った際の対応について説明します。

専門医への相談

まずは、かかりつけ医に相談し、認知症専門医の紹介を受けることをおすすめします。専門医による診断は以下のような流れで行われます。

  1. 問診:患者本人と家族から症状や日常生活の様子を詳しく聞き取る
  2. 診察:身体状態や神経学的な検査を行う
  3. 認知機能検査:MMSE(Mini-Mental State Examination)やHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)などの検査を実施する
  4. 画像検査:MRIやCTで脳の状態を確認する
  5. 血液検査:認知症の原因となる可能性のある疾患(甲状腺機能低下症など)を除外する

治療とケア

認知症の診断後は、いくつかの治療法やケアが行われます。薬物療法で使用される薬については以下のとおりです。

  • アルツハイマー型認知症:コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬
  • レビー小体型認知症:ドパミン作動薬
  • 血管性認知症:抗血小板薬や降圧薬

非薬物療法で行われる内容は以下が多いです。

  • 認知リハビリテーション
  • 音楽療法や回想法
  • 運動療法

以下のように生活環境で治療を考える方法もあります。

  • 安全で分かりやすい環境づくり
  • 日課や習慣の維持
  • 社会参加の促進

介護保険制度の利用

認知症の進行に伴い、日常生活に支障が出てきた場合は、介護保険制度の利用を検討しましょう。介護保険制度では、要介護度に応じて以下のようなサービスが利用できます。

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 特別養護老人ホーム

介護保険制度を利用するには、市区町村の窓口に申請し、要介護認定を受ける必要があります。

認知症の人とのコミュニケーション

認知症の人とのコミュニケーションには、特別な配慮が必要です。以下に、効果的なコミュニケーション方法を紹介します。

基本的な姿勢

認知症の人とのコミュニケーションでは、以下のような基本的な姿勢が大切です。

  • 尊重と共感:認知症の人の気持ちを尊重し、共感的な態度で接する
  • ゆっくりと明確に:ゆっくりと、はっきりとした口調で話す
  • 簡潔な表現:短い文章で、一度に一つの内容を伝える

効果的なコミュニケーション技法

認知症の人とのコミュニケーションでは、効果的な方法が複数あります。以下でそれぞれのコミュニケーション技法を紹介しているので参考にしてください。

効果的な方法
非言語コミュニケーションの活用 ・アイコンタクトを維持する

・優しい表情や穏やかな声のトーンを心がける

・適切なタッチング(肩や手に軽く触れるなど)を行う

視覚的な補助 ・ジェスチャーや身振り手振りを使う

・写真や絵、実物を見せながら説明する

・文字を書いて示す

選択肢の提示 ・「はい」「いいえ」で答えられる質問をする

・2〜3の選択肢を提示し、選んでもらう

さらに、具体的な対応例は以下のとおりです。認知症の人とのコミュニケーションに不安がある方は参考にしてください。

具体的な対応例 説明
同じ質問を繰り返す場合 ・質問の背景にある不安や心配を理解しようと努める

・その都度丁寧に答え、イライラした態度を見せない

・質問の内容に関連する楽しい話題に切り替える

妄想や幻覚がある場合 ・否定せず、まずは傾聴する

・本人の感情に共感を示す(「怖かったですね」など)

・現実に戻るきっかけを作る(窓を開けて外の景色を見せるなど)

興奮や攻撃的な態度を示す場合 ・落ち着いた態度を保ち、安全な距離を保つ

・原因となっている不快な刺激を取り除く

・気分転換を図る(好きな音楽を流す、散歩に誘うなど)

家族や介護者の互いのケアも大切

認知症の人とのコミュニケーションは、家族や介護者にとってストレスフルな経験になることがあります。以下の点に注意しましょう。

  • 自身の心身の健康管理
    介護者自身の健康管理も重要です。十分な睡眠やバランスのとれた食事、適度な運動を心がけましょう。
  • ストレス解消法を見つける
    趣味や運動、友人との交流など、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。
  • レスパイトケアの利用
    介護の負担が大きくなったときは、ショートステイなどのレスパイトケア(一時的な休息)を利用することも検討しましょう。
  • 専門家や支援グループへの相談
    認知症の専門医や介護の専門家、同じ立場の人が集まる家族会などに相談することで、適切なアドバイスや心の支えを得ることができます。

まとめ

認知症の初期症状に気付いたら、ためらわず専門医に相談しましょう。

  • 早期発見・早期治療が重要になる
  • 薬物療法や周囲のサポートで症状の進行を遅らせることが可能
  • 介護保険制度の活用で患者の生活の質を保つことができる

認知症になっても、適切な対応と支援があれば、住み慣れた地域で自分らしく生活を続けることができます。正しい知識と理解を持ち、患者とその家族を社会全体でサポートしていくことが大切です。

認知症になってからだと進行スピードは早いです。以下の記事では、認知症が一気に進んでしまう理由について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
>>認知症が一気に進む原因とは?進行を遅らせる方法や治療法を徹底解説

参考文献

PINK1 Type of Young-Onset Parkinson Disease