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うつ病になったら仕事はどうなる?対処法や働けないときのサポートも紹介

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

毎日の仕事に疲れ果て、やる気が出ない日々が続いていませんか?実はあなたの心は助けを求めているのかもしれません。日本では、うつ病患者が年々増加しており、2020年には約127万人に達しているほどです。この記事では、うつ病が仕事に与える影響や職場での対処法、利用可能なサポート制度について詳しく解説します。

記事を読むことで、あなたやあなたの大切な人が抱える悩みへの解決の糸口が見つかる可能性があります。一人で抱え込まず、希望を持って前に進む勇気を持ちましょう。

墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、うつ病の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。

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うつ病になるとどうなる?

うつ病は、だれもが罹患する可能性のある心の病気です。「最近なんだか元気が出ないな」「やる気が起きないな」そう感じることはありませんか? もしかしたら、うつ病のサインかもしれません。うつ病は、単に気分が落ち込むだけでなく、体にもさまざまな影響が現れます。うつ病のサインや症状を解説します。

うつ病のサイン|気分の落ち込みだけじゃない?

うつ病のサインは、気分の落ち込み以外にも多岐にわたります。心理的、行動的、身体的な変化が複合的に現れることが特徴です。以下に主なサインを示します。

  • 興味や喜びの喪失:趣味や活動に興味を失う
  • 集中力や作業効率の低下:仕事や日常生活でミスが増える
  • 慢性的な疲労感:十分な睡眠をとっても疲れが取れない
  • 睡眠障害:不眠や過眠が現れる
  • 身体症状:頭痛、肩こり、胃腸の不調などが現れる

これらの症状が2週間以上続き、日常生活に支障をきたす場合、うつ病の可能性があります。症状の現れ方には個人差があり、初期段階では気付きにくいこともあります。気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。

精神的な症状|意欲低下や集中力低下、不安感など

うつ病になると、精神面にもさまざまな症状が現れます。主な症状は以下のとおりです。

  • 意欲低下(アパシー)
  • 集中力や注意力の低下
  • 不安感や焦燥感
  • 自己否定的な思考
  • 決断力の低下
  • 記憶力の低下

「朝、会社に行くのがつらい」「やる必要があるタスクでも、なかなかやる気が起きない」のように、何をするにも億劫で、やる気が起きなくなります。意欲や喜びを感じる脳の働きが、うつ病によって低下してしまうためです。

「仕事に集中できず、ミスが増えてしまう」「会議中に他の人の話が入ってこない」など、集中力や注意力が低下し、仕事や勉強に支障が出てしまうこともあります。

さらに「将来に対して漠然とした不安を感じる」「些細なことで過剰に心配してしまう」「自分は価値がない人間だと感じてしまう」など、不安感や焦燥感が強まったり、自己否定的な思考に陥りやすくなることもあります。

身体的な症状|睡眠障害や食欲不振、疲労感など

うつ病は心の病気と思われがちですが、実際にはさまざまな身体症状を伴います。身体症状は、うつ病の診断や治療において重要な指標です。主な身体症状には以下のようなものがあります。

  • 睡眠障害
  • 食欲の変化
  • 慢性的な疲労感
  • 頭痛や肩こり
  • 胃腸症状
  • その他の身体症状

「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」といったように、睡眠に問題が生じることがあります。ストレスホルモンの影響で自律神経のバランスが乱れ、睡眠を調整する機能がうまく働かなくなってしまうことも原因の一つです。「食欲が減退し、体重が減ってしまった」「反対に、甘いものや脂っこいものを過剰に食べてしまう」といったように、食欲にも変化が現れることがあります。

「常に疲れている」「体が重だるい」「頭痛や肩こりがひどい」「便秘や下痢を繰り返す」「めまいや耳鳴りがする」など、さまざまな体の不調が現れることがあります。

金属の症状は、個人差が大きく、他の病気の可能性も考えられます。風邪のような症状でも、実はうつ病の初期症状である可能性も高いです。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することが大切です。

うつ病と仕事の向き合い方

うつ病と診断されると、仕事との両立に不安を感じることは当然です。むしろ、不安を感じない人はいないはずです。うつ病は決して恥ずべき病気ではありません。適切な治療と周りのサポートがあれば、仕事との両立もできますが、無理に続けると症状が悪化し、回復にも時間がかります。早めに対処することで、より早く回復し、仕事に復帰できる可能性が高まります。

職場への伝え方|だれに、いつ、どのように相談するか

職場にうつ病を伝えることは、とても勇気のいることだと思います。一人で抱え込まず、だれかに相談することが大切です。相談相手としては、会社の産業医や人事部が考えられます。あなたの状況を理解し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。相談しにくい場合は、信頼できる上司や同僚に相談してみるのもおすすめです。

相談するタイミングは、症状が重くなる前に、早めに相談することが大切です。 仕事に集中できない、出勤するのが辛いなど、変化を感じたら、我慢せずに相談してみましょう。「最近、どうも調子が悪くて…」と切り出すだけでも良いです。

伝え方としては、自分の状況を具体的に伝えることが重要です。「気分が落ち込みやすく、集中力が続かないため、仕事に支障が出ている」「朝起きるのがつらく、会社に行くのが苦痛だ」など、率直な気持ちを伝えましょう。

休職の判断基準|休む勇気を持つことの大切さ

「休む=負け」と考えてしまう方もいるかもしれません。うつ病の治療において、休養は重要です。仕事によるストレスから離れ、心身を休ませることで、治療効果を高め、より早く回復できる可能性があります。以下の項目に当てはまる場合は、休職を検討する必要があるかもしれません。

  • 朝、起き上がることが辛い
  • 会社に行くのが怖い、憂鬱と感じる
  • 仕事に集中できず、ミスが増えた
  • 同僚とのコミュニケーションが難しいと感じる
  • 今まで楽しめていた趣味に興味が持てない

休職は、決して後ろ向きな選択ではありません。ご自身を労り、回復に専念するための大切な時間と捉えましょう。

職場復帰までの道のり|段階的な復帰プランの重要性

職場復帰は、マラソンと同じように、焦らず無理せず、段階的に進めていくことが重要です。いきなり以前と同じように働くことは、心身に大きな負担がかかり、再復のリスクを高める可能性があります。

職場復帰にあたっては、主治医とよく相談し、段階的な復帰プランを作成しましょう。復帰の時期、仕事内容、労働時間などについて、具体的に計画を立てていきましょう。職場の上司や人事部とも相談し、理解と協力を得ることが大切です。段階的な復帰プランの例としては、以下のとおりです。

  1. 短時間勤務から始める(例:1日2時間から開始し、徐々に延ばしていく)
  2. 負担の少ない業務から始める(例:データ入力や資料作成など)
  3. 定期的に上司や産業医と面談し、状況を確認する
  4. ストレス対策を行う(例:休憩時間の確保、業務の優先順位付けなど)

少しずつ慣れていくことで、心身への負担を軽減しつつ、スムーズな職場復帰を目指せます。復帰当初は、疲労を感じやすかったり、集中力が続かなかったりすることがあります。焦らず、自分のペースで仕事を進め、無理なく職場に慣れていくことが大切です。

職場復帰はゴールではなく、新たなスタートです。焦らずマイペースで、周りの人にサポートしてもらいながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

うつ病と上手に付き合うためにできること

うつ病と診断されたとき、適切な対処をすることで、症状の改善や回復につながります。以下に、具体的な対処法をいくつか紹介します。

  • 専門医による治療を受ける うつ病の治療には、主に薬物療法と精神療法が用いられます。症状や状態に応じて、適切な治療法が選択されます。医師の指示に従い、定期的に通院することが大切です。
  • 生活リズムを整える 規則正しい生活は、うつ病の回復に重要です。睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を心がけましょう。軽い運動も効果的です。
  • ストレス解消法を見つける 自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。音楽を聴く、読書をする、散歩をするなど、リラックスできる活動を取り入れましょう。
  • 周囲のサポートを得る 家族や友人、職場の同僚など、信頼できる人に状況を話し、サポートを得ることが大切です。一人で抱え込まず、周囲の力を借りることで、心の負担を軽減できます。
  • 自己否定的な思考を避ける うつ病になると、自分を責めてしまいがちです。しかし、症状の一つであり、決して自分の弱さではありません。自己否定的な思考に陥らないよう、意識的に努めましょう。
  • 段階的に活動を増やす 回復期には、少しずつ活動量を増やしていくことが大切です。無理をせず、できることから始めましょう。

多くの人がうつ病の初期症状に気付かず、我慢し続けてしまい、症状が悪化してしまうケースが見られます。うつ病は早期発見、早期治療が非常に重要です。

治療法|薬物療法や精神療法、生活習慣の改善など

うつ病の治療は、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせて、オーダーメイドで組み立てられます。主な治療法としては「薬物療法」「精神療法」「生活習慣の改善」の3つがあり、組み合わせることで、より効果的な治療効果が期待できます。

  • 薬物療法: 脳は、神経伝達物質と呼ばれる物質を使って、情報伝達を行っています。うつ病になると、神経伝達物質のバランスが乱れてしまうことで、さまざまな症状が現れると考えられています。 抗うつ剤などを用いることで、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、うつ病の症状を改善していきます。薬の効果や副作用には個人差があるため、医師とよく相談しながら、自分に合った薬を見つけていくことが大切です。
  • 精神療法: うつ病は、仕事上のストレスや人間関係の悩みなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。 医師との対話を通して、患者さん自身が自分の心の状態を理解し、ストレスへの対処法を身に着けていくことを目指します。「認知行動療法」では、うつ病を引き起こすネガティブな思考パターンを特定します。より柔軟でポジティブな思考パターンを身に着けるためのトレーニングを行います。
  • 生活習慣の改善: 規則正しい生活習慣は、うつ病の治療だけでなく、再発予防にも大切です。睡眠不足や栄養バランスの偏りは、うつ病の症状を悪化させる可能性があります。毎日決まった時間に起床や就寝し、3食バランスのとれた食事を心がけましょう。適度な運動は、ストレス解消効果や気分転換にもつながるため、積極的に取り入れていきましょう。

再発予防|ストレスマネジメントや周りの人に頼ること、制度の活用

うつ病は、再発しやすい病気としても知られており、一度症状が改善しても油断は禁物です。 再発を予防するためには、日頃からストレスをため込まない生活習慣を心がけましょう。自分自身の心と体の状態に気を配ることが大切です。

  • ストレスマネジメント: ストレスは、うつ病の大きな要因の一つです。ストレスを溜め込みすぎると、心のバランスを崩しやすくなるため、自分なりのストレス解消法を見つけておくことが重要です。 軽い運動や音楽鑑賞、旅行など、自分がリラックスできるものを見つけ、ストレスを感じたときに試してみましょう。「仕事で抱え込みすぎてしまう」など、ご自身のストレスの原因を把握し、医師やカウンセラーに相談しながら、具体的な改善策を考えていきましょう。
  • 周りの人に頼ること: 「うつ病は甘え」「気合が足りない」などという偏見や誤解から、一人で抱え込んでしまいがちな病気でもあります。 信頼できる人に相談することで、気持ちが楽になったり、新しい視点を得られたりするなど解決の糸口が見つかることもあります。家族や友人、職場の同僚などの信頼できる人に、自分の気持ちを打ち明けてみましょう。「話す」ことに抵抗がある場合は、「手紙を書く」「メールを送る」など、他の方法を試してみるのもよいです。
  • 産業医との相談:日本の労働安全衛生法により、従業員50人以上の事業場では産業医の選任が義務付けられています。うつ病の症状がある場合、産業医に相談することは法的にも推奨されています。

相談窓口|医療機関や相談窓口、支援団体など

「もしかしたら、うつ病かもしれない…」と感じたら、一人で悩まずに専門機関に相談してみることが大切です。相談できる窓口としては、精神科や心療内科などの医療機関、各都道府県や市町村に設置されている「精神保健福祉センター」や「こころの健康相談窓口」、うつ病に関する患者会や家族会、NPO法人など、さまざまなものがあります。

相談窓口では、秘密は厳守されますので、安心して相談できます。相談は無料で行っているところがほとんどです。一人で抱え込まず、相談してみましょう。うつ病は、早期発見や早期治療によって、症状の改善や再発の予防が期待できる病気です。「もしかしたら…」と感じたら、早めに専門医の診断を受けてみましょう。焦らず、ご自身のペースで治療に取り組んでいきましょう。

​​働けないときのサポート制度

うつ病で働けなくなったとき、経済的な不安を感じる方も多いです。日本にはさまざまな社会保障制度があり、利用することで経済的な負担を軽減できる可能性があります。

  • 傷病手当金:会社員や公務員が病気やけがで働けなくなった場合に受けられる制度です。標準報酬日額の3分の2相当額が最長1年6ヶ月支給されます。
  • 障害年金:うつ病により長期的に就労が困難になった場合に受給できる可能性があります。症状の程度や就労状況によって、受給の可否や等級が決定されます。
  • 失業保険(基本手当):会社を退職した場合、一定の条件を満たせば受給できます。うつ病による退職でも、条件を満たせば受給可能です。
  • 生活保護:収入がなく、生活に困窮している場合の最後のセーフティーネットです。資産状況や他の制度の利用状況などを考慮して決定されます。

制度を利用する際は、詳細な条件や申請方法が異なるため、社会保険労務士や各制度の窓口に相談することをおすすめします。

まとめ|希望を持って前に進もう

うつ病はだれもが罹患する可能性のある心の病気です。早期発見や早期治療が重要で、適切な対処により回復が期待できます。

  • 症状に気付いたら専門医に相談
  • 職場には早めに状況を伝える
  • 必要に応じて休職を検討
  • 段階的な職場復帰を心がける
  • 周囲のサポートを積極的に活用

うつ病からの回復は新たな人生の始まりです。希望を持ち続け、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

うつ病だけでなく、適応障害についても解説している記事もあるので、気になる方は以下の記事をぜひご覧ください。

>>適応障害とうつ病の違いとは?適応障害からうつ病に移行することはあるの?

参考文献