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【性病】梅毒について思うこと 症状 検査 治療について【増加傾向】

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

最近梅毒という病気が流行しております。梅毒なんて昔の病気だろ?という考えがここ最近崩れてきております。下記は東京都感染症情報センターのホームページからです。見ていただく通り最近増加しております。

クリニックでも梅毒を懸念される方が来られております。以前は全く持って梅毒なんて聞いたことがなかったのですが。

さて、梅毒の症状ですがいくつかの期間に分かれて症状が変化します。

江戸時代などの漫画ドラマなどで花魁の「鼻がとれる」という症状はインパクトが残りますが、かなり時間が経過してからの症状であり現代日本では殆ど目にすることはありません。

初期梅毒(第一期)

  • 硬結性潰瘍:感染部位に通常無痛の潰瘍や硬いしこりが現れます。これは感染の入り口となった場所に形成され、しばしば性器周辺、口の中、または肛門に現れます。
  • 潰瘍は数週間で自然に消失しますが、これは感染が治ったわけではありません。

第二期梅毒

  • 皮膚発疹(バラ疹):手のひらや足の裏を含む体の任意の場所に現れることがあります。発疹は痛くないことが多いです。
  • 粘膜の病変:口内、性器、肛門周辺に発生する可能性があります。
  • 発熱、倦怠感、頭痛、リンパ節の腫れなど、インフルエンザに似た症状が現れることもあります。

潜伏梅毒

  • 第一期または第二期の症状が消失した後、梅毒は無症候性の潜伏期に入ります。
  • 潜伏期は数年間続くことがあり、この期間中には明らかな症状は現れませんが、感染は依然として体内に存在します。

三期梅毒(後期梅毒)

  • 治療されない梅毒は数年から数十年後に三期梅毒に進行することがあります。
  • 神経症状として脳に影響を与えたり、「鼻がとれる」ゴム腫の症状を呈します。

 

【検査】

基本的に検査は採血検査で実施します。

TP  抗体検査とRPR  検査の2項目で検査をします。

TP (Treponema pallidum) 抗体検査

TP抗体検査は、梅毒を引き起こす細菌(トレポネーマ・パリダム)に対する抗体の有無を調べる検査です。この検査は、体が細菌に対して反応し、特定の抗体を生成しているかどうかを検出することによって行われます。TP抗体検査は、感染の早期段階から抗体を検出することができ、感染後も長期間にわたって陽性反応を示すことがあります。このため、現在または過去に梅毒に感染していたかどうかを示すことができますが、感染の活動性は示しません。

RPR (Rapid Plasma Reagin) 検査

RPR検査は、梅毒感染によって体内で生成される抗体を検出するための非特異的な検査です。この検査は、梅毒によって引き起こされる体内の炎症反応を検出することで機能します。RPR検査は感染の活動性を評価するのに役立ち、治療の効果のモニタリングにも使用されます。治療によって梅毒が適切に管理されると、RPRの滴定値は時間とともに低下します。

検査の流れとしては、まず疑わしい場合は来院いただく。

採血検査で感染の有無を確認→感染が疑わしい→追加で梅毒の活動性を確認→治療開始

という流れになります。

TP抗体に関しては、一度でも感染すると体に残るものなので今現在活動性がなくても陽性で出る場合があります、感染については慎重に判断します。

また、当院では梅毒の治療後も再発の兆候について定期的な検査を推奨しております。

治療後再検査をしなかった方が、1年程度経過後に再発していた例も考慮し1年以内は特に気をつけて経過観察に努めております。

【治療】

主に抗生物質で行います。基本的にはペニシリン系の抗生物質が一番効果を期待できます。

アレルギーがあり使用できない方は相談しつつ、他の種類の抗生物質を使用します。

内服治療

アモキシシリンという抗生物質を朝昼晩で1ヶ月間内服します。

注射(推奨)

以下のステルイズという注射を月1回筋肉注射します。(痛さはコロナウイルスワクチン程度という感想の方が多いです)

どちらの治療も有効性はありますが、内服治療は朝昼晩に毎回の内服を1ヶ月継続していただくこととなります。よって飲み忘れや治療期間の延長に至った場合には、結構な手間や負担になります。

費用的にもあまり変わらないので注射がお勧めです。

注意点

ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(Jarisch-Herxheimer reaction、JHR)は、梅毒などのスピロヘータ系感染症を治療する際に見られる、一時的な反応性の症状です。この反応は、特に抗生物質による治療が始まった直後に起こりやすく、治療によって細菌が急速に死滅し、その過程で放出される内毒素に体が反応することによって引き起こされます。

ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応の症状

  • 発熱
  • 寒気
  • 倦怠感
  • 筋肉痛
  • 頭痛
  • 高血圧低下(血圧の急激な低下)
  • 心拍数の増加
  • 皮膚発疹の悪化

発生時期と持続期間

この反応は、治療開始後数時間以内に発生することが多く、通常24時間以内に自己限定的に解消します。重症度は個人差があり、非常に軽いものから、治療を必要とするほど重いものまで様々です。

 

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