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肺炎のときは何科に行けば良い?呼吸器内科と耳鼻咽喉科、循環器科の違いも解説

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息苦しさや高熱、長引く咳…もしかして肺炎かも?と思っているのではないでしょうか。すぐに病院に行きたいけど、何科を受診すれば良いか迷う方も多いです。実は、肺炎の治療は行く病院によって大きく変わる可能性があります。この記事では、肺炎の症状別に最適な診療科を詳しく解説します。

肺炎は日本で年間約10万人が亡くなることもある恐ろしい病気です。正しい知識があれば、落ち着いて対処できるので、記事を読んで自分に合った病院を選び、一日も早く健康を取り戻しましょう。

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肺炎は何科?病院の選び方ガイド

肺炎は、肺に炎症が起きてしまう病気で、放っておくと重症化してしまうことがあります。特に、高齢者の方や、心臓に持病のある方は、肺炎によって心臓に負担がかかり、心不全などの合併症を引き起こすリスクが高まります。

肺炎を疑う症状が出たら、早めの受診を心がけましょう。ここでは、肺炎の症状が現れた際に、どの診療科を受診すれば良いのか、それぞれの科の特徴を踏まえて詳しく解説します。

呼吸器内科:肺炎の専門的な診療

呼吸器内科は、肺や気管支といった呼吸に関わる臓器の病気を専門的に扱う診療科です。肺炎は、肺に炎症が起きる病気なので、まさに呼吸器内科の専門分野と言えます。風邪を引いた後に咳が長引いていて、熱も下がらない、息苦しさを感じる場合は、呼吸器内科を受診しましょう。

呼吸器内科では、レントゲン検査や血液検査、痰の検査などを行い、肺炎の原因や重症度を詳しく診断します。さらに詳しい検査が必要な場合は、CT検査や気管支鏡検査を行うこともあります。

気管支鏡検査では、鼻や口から細いカメラを入れて気管支の中を観察し、必要であれば組織の一部を採取して検査します。

内科:初期診療や他の病気との関連を調べたい場合

内科は、風邪や腹痛、生活習慣病など、体のさまざまな臓器の病気を幅広く取り扱う診療科です。そのため「肺炎かな?」と思ったら、まずは内科を受診するのも良いでしょう。

内科では、問診や聴診、胸の音を聴診器で聞いたり、喉の奥を見て扁桃腺が腫れたりしていないかなどを確認します。肺炎が疑われる場合は、レントゲン検査などを行い、さらに詳しい検査や治療が必要かどうかを判断します。

咳が出て、熱っぽさやだるさがあることに加え、消化不良や胃の症状もある場合は、内科を受診してください。それぞれの症状に対して総合的に診察を受けられます。

耳鼻咽喉科:肺炎の原因が耳鼻咽喉の病気の可能性

耳鼻咽喉科は、耳や鼻、喉の病気を専門的に取り扱う診療科です。肺炎は通常、細菌やウイルスが原因で起こりますが、耳鼻咽喉の病気「副鼻腔炎(蓄膿症)」などが原因で肺炎になることもあります。鼻や喉の炎症が、気管支や肺にまで広がってしまうためです。

風邪症状に続いて、黄色や緑色の鼻水が出る、鼻詰まりがひどい、顔面痛や頭痛があるといった副鼻腔炎の症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。耳鼻咽喉科では、耳や鼻、喉を詳しく診察し、肺炎の原因がこれらの部位の病気にあるかどうかを調べます。鼻からカメラを入れて鼻の奥を観察するファイバースコープ検査なども行われます。

循環器科:肺炎が心臓に影響を与えている可能性

循環器科は、心臓や血管など、血液循環に関わる臓器の病気を専門的に扱う診療科です。肺炎が重症化すると、心臓に負担がかかり、心不全などの心臓病を併発する可能性があります。特に、高齢者や心臓に持病がある方は注意が必要です。

肺炎によって心不全が起こると、息切れや動悸、足のむくみなどがみられます。高齢者の場合、症状がはっきりしない場合もあるため注意が必要です。

循環器科では、心電図検査や心臓超音波検査などを行い、肺炎が心臓に影響を与えているかどうかを調べます。肺炎の症状に加えて、安静にしていても息苦しい、急に動悸がする、足のむくみが気になる場合は、循環器科への受診も考えましょう。

肺炎の症状チェック:こんな症状が出たら危険信号

「風邪かな?」と思っていても、なかなか治らない、あるいはだんだん悪化する場合は、肺炎の可能性も考える必要があります。肺炎は、肺に炎症が起きる病気で、放っておくと重症化することがあります。

肺炎を疑うサインを見逃さないことが大切です。この章では、肺炎でよくみられる症状を具体的にお伝えします。ご自身の体と向き合いながら、読み進めてみてください。

息苦しさ・呼吸困難

健康な状態であれば、意識しなくても自然と呼吸ができているはずです。しかし、肺炎になると、肺の炎症によって酸素を取り込む機能が低下し、息苦しさを感じることがあります。

普段は息切れを感じないような軽い運動でも、息苦しさや呼吸困難を感じる場合は注意が必要です。「階段を少し上っただけで息切れがする」「少し早歩きをしただけで呼吸が苦しくなる」といった場合は、肺炎のサインかもしれません。

安静時でも息苦しさを感じる場合は、肺炎が進行している可能性もあります。特に、横になったときに息苦しさが増す場合は要注意です。

高齢者の場合、呼吸機能が低下しているため、若年者よりも息苦しさを感じにくいことがあります。そのため、ご家族や周囲の方は、高齢者のちょっとした呼吸の変化にも気を配ることが大切です。

高熱が続く・熱が下がらない

肺炎になると、体内に侵入した病原体と戦うため、発熱します。38度以上の高熱が出ることも多く、風邪と比べて熱が下がりにくいのが特徴です。解熱剤を使っても熱が一時的に下がるだけで、すぐにまた上がってしまう場合や、数日以上高熱が続く場合は、肺炎の可能性を疑いましょう。

肺炎によって高熱が続くと、体力の消耗が激しく、脱水症状になることがあります。こまめな水分補給を心がけ、脱水症状の予防にも努めましょう。高齢者の場合、免疫機能が低下しているため、肺炎になっても高熱が出ないことがあります。そのため、熱以外の症状にも注意が必要です。

咳が長引く・痰が絡む

咳は、体内に侵入した異物や、炎症によって生じた痰などを排出するための防御反応です。肺炎でも咳はよくみられますが、風邪と比べて咳が長引く傾向があります。

2週間以上咳が続く場合や、咳と共に黄色や緑色の痰が出る場合は、肺炎の可能性があります。痰は、炎症によって生じた老廃物や細菌などを含んでいるため、色がついています。咳や痰が長引く場合は、肺炎が疑われるため、医療機関を受診しましょう。

胸の痛み・違和感

健康な状態であれば、呼吸をしても胸の痛みは感じません。しかし、肺炎になると、肺の炎症が周囲の組織にまで及ぶため、胸の痛みや違和感を感じることがあります。息を吸い込んだときに胸が痛む、咳をすると胸に響くような痛みがある場合は、肺炎の可能性があります。

また、肺の炎症によって、胸膜(肺の表面を覆う薄い膜)が刺激され、胸の痛みを感じることがあります。この痛みは、呼吸と関連して強くなる傾向があります。胸の痛みだけでなく、背中や肩に痛みを感じることもあります。炎症が広がっているために起こる症状です。

肺炎は、早期発見・早期治療が重要です。「もしかして…」と思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。

肺炎を予防しよう|日常生活でできること

肺炎は、肺に炎症が起きる病気で、日本人の死因の上位に位置するほど、命に関わる病気です。高齢者の方や持病のある方は特に注意が必要ですが、肺炎は誰にでも起こる可能性があります。

「自分は大丈夫」と思わずに、肺炎の予防について、一緒に考えていきましょう。

肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン接種

肺炎は、肺炎球菌やインフルエンザウイルスなどの病原体によって引き起こされることが多いです。ワクチン接種は、病原体に対する抵抗力を高め、肺炎を予防する有効な手段の一つです。高齢者の方や基礎疾患をお持ちの方は、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの両方の接種を推奨します。

ワクチンを接種することで、体内に抗体が作られ、病原体が侵入してきた際に、その病原体を攻撃し、排除する働きが強くなります。高齢者の方の場合、免疫力が低下しているため、肺炎球菌やインフルエンザウイルスに感染しやすく、重症化しやすい傾向です。

肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを接種することで、肺炎の発症リスクを減らし、重症化を防ぐ効果が期待できます。

手洗い・うがいの徹底

手洗い・うがいは、肺炎予防の基本中の基本です。日常生活の中で、私たちは知らず知らずのうちに、さまざまなものに接触し、病原体に触れている可能性があります。

電車のつり革やドアノブ、エレベーターのボタンなど、たくさんの人が触れる場所は、病原体が付着している可能性が高いです。スマートフォンやパソコンのキーボード、マウスなども、頻繁に触れるため、注意が必要です。

手洗いは、流水と石鹸を使って洗いましょう。手のひらから手の甲、指の間、爪の先まで、丁寧に洗うことを意識しましょう。うがいは、水道水で口の中をすすぐだけでも効果があります。

規則正しい生活習慣

健康的な生活習慣を維持することは、免疫力を高め、肺炎を含むさまざまな病気の予防につながります。睡眠不足や偏った食事、運動不足、過度なストレスなどは、免疫力を低下させる要因です。規則正しい生活習慣が大切な理由は以下のとおりです。

  • 睡眠:睡眠中は、体の修復や免疫細胞の産生が活発に行われます。毎日、十分な睡眠時間を確保することが重要です。
  • 食事:バランスの取れた食事は、免疫システムを正常に機能させるために不可欠です。タンパク質やビタミン、ミネラルを意識してとりましょう。
  • 運動:適度な運動は、血行を促進し、免疫細胞の働きを活性化させます。軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。
  • ストレス:ストレスは、免疫力を低下させる大きな要因の一つです。趣味やリラックスできる活動など、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

禁煙

喫煙は、肺炎を含むさまざまな呼吸器疾患のリスクを高めることが知られています。タバコの煙に含まれる有害物質は、気管や肺の細胞を傷つけ、炎症を起こしやすくします。

喫煙は、免疫細胞の働きを低下させ、病原体に対する抵抗力を弱めることもわかっています。禁煙は、肺炎予防だけでなく、健康全体に良い影響を与えます。

認知症を予防したい方は、普段の日常生活の習慣も大切です。おすすめの食べ物やトレーニングもあります。以下の記事で詳しく紹介しているので、是非参考にしてください。
>>認知症予防のポイント7選|おすすめの食べ物や今からできるトレーニングを紹介!

まとめ

肺炎は命に関わる病気であり、呼吸器内科や内科、耳鼻咽喉科や循環器科など、症状に合わせて受診科を選択する必要があります。肺炎の疑いがある場合は、息苦しさや高熱、咳や胸の痛みなどの症状が現れます。重症化を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要です。

肺炎を予防するには、ワクチン接種や手洗い、うがい、規則正しい生活習慣、禁煙などが効果的です。正しい知識と予防策で、肺炎のリスクを大幅に減らせます。

認知症になってからだと進行スピードは早いです。以下の記事では、認知症が一気に進んでしまう理由について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
>>認知症が一気に進む原因とは?進行を遅らせる方法や治療法を徹底解説

参考文献