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うつ病で顔つきが変わるって本当?うつ病の人の特徴や表情の変化を医師が解説

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

うつ病になると気分が落ち込むだけでなく、表情や顔つきにも変化が現れます。この記事では、うつ病が引き起こす顔つきの変化を解説します。自分や周りの人のうつ病のサインに気付き、早期治療に取り組むために、最後までご覧ください。

墨田区曳舟にあるてらすクリニックひきふねでは、うつ病の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みのかたは気軽に相談ください。

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うつ病で顔つきはどう変わる?7つの特徴を医師が解説

自分や周りの人の顔を見て、以前と変わったと感じませんか?うつ病は表情筋や脳にも影響を及ぼすため、顔つきにも変化が現れる場合が多いです。うつ病によって現れる、代表的な顔つきの変化を解説します。

目線が下がる

うつ病の人は、目線が下がりうつむきがちです。うつ病になると、自分自身に対する自信や、何かする意欲が低下します。結果、周囲の人の視線を避けるために、無意識に目線が下がると考えられています。人と話すときに相手の目を見られない、足元ばかり見てしまう、などの場合は注意が必要です。

口角が下がる

うつ病になると、唇の両端が下がり、口が「へ」の字の形になる場合があります。顔の筋肉の緊張や、表情筋の活動の低下が原因です。口角が下がると、不機嫌そうに見えたり、老けて見えたりします。うつ病の患者さんの中には「最近、老けたと言われやすい」と訴える方もいます。

声が小さくなる

うつ病になると、声帯の筋肉も影響を受け、声が小さくなる場合も多いです。話すエネルギーが低下し、声を出すことさえも億劫に感じます。息切れしやすくなったり、話す声が震えたりする人もいます。

話すスピードが遅くなる

話すスピードの低下も、うつ病の特徴です。頭の中で言葉を探すのに時間がかかったり、会話が難しくなったりします。言葉に詰まり、沈黙が多くなる場合も注意が必要です。

反応が鈍くなる

うつ病になると、周囲の刺激に対する反応が鈍くなります。脳の処理能力が低下し、情報処理に時間がかかることが原因です。話しかけられてもすぐに返事ができなかったり、返事が一言になってしまったりします。周りの音がスローモーションで聞こえているみたいに、反応が遅れてしまう状態です。

無表情になる

うつ病になると感情の起伏が小さくなり、喜怒哀楽の表現が乏しくなります。周囲からは「感情が読み取りづらい」「何を考えているかわからない」と思われるケースも多いです。無表情な人の中には、心の中でさまざまな葛藤や不安を抱えている人も多く、周囲の理解とサポートが必要です。

目つきが変わる

うつ病になると、目つきも変化します。生気がなく、ぼーっとした目つきの場合は、うつ病の可能性があります。脳の活動レベルが低下し、目元の筋肉の緊張が弱まることが原因です。

顔つき以外に見られるうつ病のサイン

心と体は密接に関係しており、心の不調は行動や身体のサインとして現れます。うつ病になると、体や行動にさまざまな変化が現れる場合が多いです。顔つき以外のうつ病のサインを詳しく解説します。

食欲の変化

うつ病になると、食欲に変化が現れる人がいます。以下の場合は特に注意が必要です。

  • 食欲が湧かない
  • 食事が美味しく感じられない
  • 過食気味になる
  • 好物だったものを食べたいと思わない
  • 何を食べても味がしない

うつ病による食欲の変化は、脳内の食欲をコントロールする神経伝達物質のバランスの乱れが原因です。食欲の変化は、体重の増減にもつながります。体重の増減は、身体的な影響だけでなく、精神的なストレスをもたらします。食欲の変化や体重の増減を感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。

睡眠障害

うつ病になると、睡眠にも影響が出ます。うつ病の睡眠障害の特徴は以下のとおりです。

  • 朝方に目が覚めやすい
  • 眠りが浅く、熟睡感がない
  • 悪夢を見やすい
  • 夜中に何度も目が覚める
  • なかなか寝付けない

睡眠障害は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、うつ病の症状を悪化させる要因にもなります。

疲労感

うつ病になると、身体的な疲労感が強く、気力や体力が低下します。普段通りの生活が難しい人も多いです。以下の症状を感じる場合は、うつ病の可能性があります。

  • 身体的な疲労感が強い
  • 休息をとっても回復しない
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 朝に起きられない
  • いつもは簡単な動作ができなくなる

疲労感は、身体的な病気や精神的なストレスなど、さまざまな要因で引き起こされます。疲労感が長引く場合は、医療機関を受診し、原因を特定しましょう。

集中力の低下

うつ病になると、集中力や注意力が低下し、仕事や勉強に集中できなくなります。以下の場合は注意が必要です。

  • 本や新聞の内容が頭に入らない
  • 会話中に相手が話す内容を理解できない
  • テレビの内容を覚えていない
  • 会議の内容が頭に入らない
  • 簡単な計算ミスが増える

集中力の低下は、うつ病の症状の一つとして現れやすいです。集中力が低下している人は、早めに医療機関に相談してください。

興味関心の低下

うつ病になると、今まで楽しんでいた趣味などに対する興味や喜びを感じにくいです。好きな音楽を聴いても楽しく感じない、友人との会話も億劫に感じる、などの場合は注意が必要です。興味関心の低下は、うつ病の初期症状として現れやすく、悪化すると日常生活に支障をきたす可能性もあります。

うつ病のサインに気付いたときの相談先3選

顔つきや行動の変化は、心のSOSのサインかもしれません。小さなサインを見逃さず、早めの対処が心の健康維持に重要です。「もしかしたら、うつ病かも…」と感じたら、一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。うつ病のサインを感じたときの相談先を3つ紹介します。

精神科・心療内科

精神科・心療内科は、心の病気を専門的に扱う医療機関です。精神科・心療内科の受診は、恥ずかしいことではありません。早期に専門家のサポートを受けることで、症状の悪化を防ぎ、より早い回復が可能です。

精神科・心療内科では、うつ病の診断や治療だけでなく、患者さんのつらい気持ちや不安な気持ちを丁寧に聞き取ります。精神科は精神療法や薬物療法を行い、心療内科は心理的なケアや生活習慣の改善指導を中心に行う特徴があります。どちらの医療機関を受診すれば良いか迷う場合は、近くの病院に相談しましょう。

メンタルクリニック

メンタルクリニックは、よりリラックスした雰囲気で心のケアを受けられる場所です。カフェでくつろぐようにカウンセリングを受けられるクリニックも増えています。

メンタルクリニックでは、うつ病や不安障害、パニック障害など、幅広い心の問題に対応可能です。カウンセリングや心理検査、薬物療法などを組み合わせながら、患者さん一人ひとりの症状や悩みに合わせた治療を提供します。

メンタルクリニックは、プライバシーにも配慮しており、他の患者さんと顔を合わせない工夫がされている場合も多いです。

電話相談

医療機関への相談に抵抗がある方は、電話相談を利用しましょう。電話相談では、匿名での相談ができ、自分のペースで気持ちを話せます。自分の部屋でリラックスしながら話せることもメリットです。

うつ病に関する相談窓口は「よりそいホットライン」や「いのちの電話」などが有名です。各自治体でも、メンタルヘルスの相談窓口を設けている場合があります。お住まいの地域の相談窓口を調べてみましょう。

まとめ

うつ病になると表情が乏しくなり、うつむきがちになる、口角が下がるなど顔つきに変化が現れます。顔つき以外にも、食欲や睡眠、疲労感、集中力、興味関心の低下など、さまざまな症状が出る場合も多いです。 うつ病のサインに気付いたら、精神科・心療内科やメンタルクリニック、電話相談などを利用して、専門家に相談しましょう。

うつ病だけでなく、適応障害についても解説している記事もあるので、気になる方は以下の記事をぜひご覧ください。

>>適応障害とうつ病の違いとは?適応障害からうつ病に移行することはあるの?

参考文献

Nishi D, Imamura K, Watanabe K, Obikane E, Sasaki N, Yasuma N, Sekiya Y, Matsuyama Y, Kawakami N. The preventive effect of internet-based cognitive behavioral therapy for prevention of depression during pregnancy and in the postpartum period (iPDP): a large scale randomized controlled trial. Psychiatry and clinical neurosciences 76, no. 11 (2022): 570-578.