うつ病とは?原因と症状や診断方法まで解説
投稿日
更新日
監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)
うつ病とは
うつ病とは脳のエネルギーが欠乏し、さまざまな意欲が低下している状態を指します。うつ病になると「一日中ずっと気分が落ち込んでいる」「眠れない」など心身に違和感を感じることが多くなります。
うつ病は気分障害の1つでもあるため、ただ気分が落ち込んでいるだけと判断されることも少なくありません。うつ病と一般的な気分の落ち込みを見分ける方法は、症状の原因が解消した場合にすぐに回復するかを確認することです。
症状の回復と同時に心身が通常通りになれば、ただ気分が落ち込んでいるだけです。しかし、原因となるストレスが排除されても回復しない場合は、うつ病の可能性があります。
それどころか、うつ病では症状の原因すらわからないケースもあるくらいです。
うつ病の原因
うつ病の原因は、正確にはわかっていません。
しかし、うつ病の背景には精神的および身体的ストレスが多いと言われています。辛い体験だけでなく、進学や就職などの大きなイベントがある際に発症しやすい傾向も見られます。
周囲の環境が大きく変化する際は、心身に違和感がないか冷静に判断しましょう。
うつ病の症状
1. 精神的症状
うつ病になると、情緒的に違和感を感じる人が多くなります。具体的には、次のような症状が表れます。
- 気分が落ち込む
- 何事にも無関心になる
- 思考力や集中力が低下する
- 口数が少なくなる
- 無性にイライラする
- 焦りや不安など悲観的に考えることが増える
表情や口数の変化は、周囲の人でも気づきやすい症状です。うつ病の可能性を疑った場合は、周囲の信頼できる人に上記のような症状が見られるか、訪ねてみるといいでしょう。
また、うつ症状が重くなると最悪の場合、自殺に至るケースもあります。最悪の事態に陥らないために、初期症状の段階で手を打たなければなりません。
2. 身体的症状
精神的異常を感じる前に、身体に不調が生じるケースもあります。
- 食欲不振
- 味覚障害
- 生理不順
- 不眠
- 耳鳴り
- 便秘
- 頭痛、腹痛、胃痛
- 性欲がない
症状が悪化すると日常生活に支障をもたらしてしまいます。少しでも異変を感じた場合は、早めに専門家に相談しましょう。
うつ病の診断方法
うつ病の診断をしてもらう場合は「精神科」や「心療内科」または「メンタルクリニック」のいずれかを受診しましょう。
精神科や心療内科を受診したことがない方は不安に感じてしまうこともありますが、通常の内科とほとんど変わりません。医師や専門家によるカウンセリングで、症状や療養方法について相談しましょう。
また、うつ病に関するセルフチェックもできます。
- 普段は何でもないことが煩わしいと思う
- 食欲不振または過食気味である
- 特に理由もないのに気分が落ち込む
- 物事に集中できない
- 不眠
- 毎日の生活に充実感がない
- 自分が役に立つ人間だと思えない
上記の症状に複数当てはまっていて、かつ毎日続いている場合はうつ病の可能性が十分にあります。とはいえ、セルフチェックは1つの目安にしかならないので、正確な判定はできません。
そのため、少しでも不安を感じたら精神科や心療内科を受診しましょう。
うつ病の予防方法
1. 十分な睡眠をとる
生活リズムを崩さないように、まずは十分な睡眠時間を確保しましょう。
目安としては、6〜8時間程度の良質な睡眠を取ることをおすすめします。ただし、必要な睡眠時間は個人差があるため、日中に頭がすっきりしているかを目安にするといいでしょう。
寝つきがあまりよくない方は、寝る前の行動を改めることを意識してみてください。就寝の2〜3時間前には食事や入浴を済ませ、PCやスマホ操作を控えるようにすると、寝つきのよさは改善されるでしょう。
2. 軽い運動をする
軽い有酸素運動を行うと、うつ病の症状が軽くなると言われています。
そのため、毎日軽く運動する習慣をつけておくと、うつ病の発症を回避しやすくなります。具体的には、ウォーキングや軽いジョギングなどの続けやすい運動を選ぶといいでしょう。
忙しくて時間が取れない方は、最寄りの一駅前で降りて歩くなど、日常生活に少しでも運動する時間を取り入れる工夫をしてみましょう。
3. 規則正しい食生活を送る
食生活が乱れると栄養素に過不足が生じてしまうため、心身に悪影響をもたらすと言われています。糖尿病や肥満などの生活習慣病や腸内環境の乱れなど、一見関係なさそうな病気もうつ病を発症するリスクになります。
また、貧血もうつ病を発症する要因の1つです。特にダイエット中の女性は貧血の原因である鉄分不足に陥りやすいので、うつ病のリスクが高まります。
そのため、ダイエット中の方は意識的に鉄分を摂るようにしましょう。
うつ病の治し方
1.十分な休養
うつ病になってしまった場合に最優先にすべきことは、心身の十分な休養です。
症状が比較的軽い場合は、まずうつ病を発症した原因を明確にしましょう。職場が原因であれば休職や退職など、これ以上自分の心身に負荷がかからないように環境を変える必要があります。
再発を防止するためにも、ストレスがかかる環境はなるべく避けるようにしましょう。
2.薬物療養
うつ病を治療をするのに使われるのは「抗うつ薬」と呼ばれる、うつ病用の薬です。
抗うつ薬は服用して、すぐに効果が現れるものではありません。症状が回復するまで、医師と相談しながら焦らずに服用を継続するようにしましょう。
また、うつ病によって他の症状を併発した場合は、うつ病用とは異なる治療薬が出されるケースもあります。
3.精神療養
休養や薬の服用をしても症状が改善されない場合は、精神療養を組み合わせて治療を進めます。精神療法で一般的な療法は「認知行動療法」と「対人関係療法」の2つです。
認知行動療法とは「物事への受け取り方」に働きかけて、考え方の解釈を変える精神療法のことです。
うつ病になりやすい人は物事を悲観的に捉える傾向にあるために、ストレスを感じやすくなっています。認知行動療法ではストレスへの耐性を身につけられるように、患者の考え方のくせを改善していきます。
また、対人関係療法は「人間関係」が原因で、うつ病を発症した方に適用される精神療法です。回復後に問題なく社会復帰ができるように、サポートしてくれます。
うつ病の診断はてらすクリニックにご相談ください
うつ病を発症すると日常的に心身に異常を感じるため、「生きづらさ」に繋がってしまいます。うつ病は「ただの気分の落ち込み」と間違えられることも多く、治療が遅れて取り返しがつかなくなることも少なくありません。
少しでも不安を感じたり、心身に異常が見られた場合は、なるべく早めに専門家へ相談しましょう。
てらすクリニックでもうつ病の診断が可能です。何科へかかるべきか迷ったら、ぜひ当院へご相談ください。まずはWeb予約から空き時間を確認いただけるとスムーズです。
監修者情報