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流行している麻疹・麻しん・はしかって何?症状は?検査は?対策は?治療法は?詳しく解説します。

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監修者船橋 健吾(てらすクリニックひきふね院長)

今、麻疹(麻しん・はしか)の流行が世間を騒がせております。麻疹の症状、検査、予防等について東京都墨田区のてらすクリニックひきふねでお力になれることも含め解説します。

【経過・症状】

潜伏期間(10~12日)→カタル期(3,4日)→発疹期 (ここまで7~10日程度)
→回復期 となって回復します。
完全に良くなったと感じるまで1ヶ月程度要する場合もあります。

まずは急性期について記載しますが、麻疹感染後5年~10年程度で発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)についても下に記載します。

麻疹は感染機会があってから10日~12日程度の潜伏期間を経て発症します。
発熱や目の充血、くしゃみ等、いわゆる「かぜをひいたかな?」というのがカタル期の症状です。
この時点で、口腔内にコプリック斑と呼ばれる斑点を見つけることができれば麻疹が強く疑われます。
しかし、見つけられなかった場合やコプリック斑が無い場合でも接触があったり、症状から疑わしい場合何度か(場合によっては連日!)経過を見る必要があります。

このカタル期は3,4日程度続き、解熱後に発疹期となります。40℃を超すこともある高熱と、首や体、顔面に広がる発疹が出現します。

類似の病気としては、一般的な風邪、エンテロウイルス感染症、アデノウイルス感染症や、発熱という意味ではコロナウイルス感染症やインフルエンザウイルス感染症等が挙げられます。

麻疹に関して医療者やニュースがこれだけ敏感に反応している理由としては、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の存在があります。

この病気は麻疹に感染した後、5~10年後程度かけて徐々に潜伏して発症する病気であり、知的や運動機能の低下が徐々に進行し、発症数年から十数年で死亡する大変重篤な病状です。

SSPEの患者さんは、発症後は同じような経過をとる傾向があります。通常、4つのステージに分けられています。

第Ⅰ期: 軽度の知的障害、性格変化、脱力発作、歩行異常などの症状がみられます。
第Ⅱ期: 四肢が周期的にびくびくと動く不随意運動(ミオクローヌス)がみられるようになり、知的障害が次第に進行し、歩行障害など運動障害も著明になってきます。
第Ⅲ期: 知能、運動の障害はさらに進行して、歩行困難となり、食事の摂取も出来なくなります。この時期には体温の不規則な上昇、唾液分泌の亢進、発汗異常などの自律神経の症状がみられるようになります。
第Ⅳ期: 意識は消失し、全身の筋肉の緊張は著明に亢進し、ミオクローヌスも消失し、自発運動もなくなります。

上記はSSPE治療研究グループ事務局:福島県立医科大学小児科学教室 細矢光亮先生記載から引用です。

【検査】

今麻疹に感染しているかどうかを確認するためには、PCR検査や抗体検査を行います。

PCR検査は血液、咽頭ぬぐい液、尿に対して行い発症前2-3日前から発疹出現後1週間程度までの期間で実施します。

抗体検査は特にIgM検査を感染してすぐの時期には行いますが、発疹出現後4日目〜28日目 程度で実施します。

IgG検査も併せて行う場合があります。

【対策】

感染対策をする+免疫を高める 事が主たる対策となります。

まず感染対策ですが、コロナ禍に習ってマスクや手指消毒は重要だと思いますが、空気感染の経路をとる麻疹や結核等の病気は一般的なマスクや手指消毒だけでは防ぎきれない部分もあります。

これが麻疹の怖いところだと思います。

潜伏期間は10~12日なのですが、その程度の前に麻疹患者と接触がある場合は特に発症に注意し行動すべきだと思います。

次に、免疫を高める事について書きます。

よく寝て、よく食べるような日頃の免疫力を高める生活習慣はとても大切です。
ただ何と言ってもやはり抗体がついているかどうかが重要です。

先に書いた様に麻疹に感染すると重大な症状を引き起こすこともありますから、幼少時に2回ワクチン接種が定期接種化されております。(1回目1歳~2歳  2回目5~7歳)又、昔に感染したことがある方も抗体を持っている可能性があります。

又、接触をしてから72時間以内にワクチンを接種すると感染の予防ができる可能性があります。

注意すべきこととして、大人になって幼少時にワクチン接種してから時間が経過している場合は抗体が下がっている可能性があります。(感染の危険性がある状態)

その有無は抗体検査でわかります。IgG抗体検査とIgM抗体検査があり

IgG抗体検査は

  • IgG抗体は、麻疹に対する長期の免疫を示します。
  • この検査は、過去に麻疹に感染したか、ワクチン接種によって免疫が形成されているかを確認するために使用されます。
  • IgG抗体が検出されると、個人が麻疹に対して保護されていると考えられます。

という特徴

IgM抗体検査は

  • IgM抗体は、最近の麻疹感染を示します。
  • 麻疹感染の初期にこのタイプの抗体が体内で生成されます。
  • IgM抗体が検出された場合、それは最近の感染の兆候とみなされ、迅速な対応が必要です。

という特徴があります。IgGが高ければ麻疹に対する抗体がついている、IgMが高ければ最近麻疹に接触している! 要精査!という事になります。

IgGが無い方、低い方については麻しんワクチンを接種した方が良いと思いますが、現在麻疹ワクチンが手に入りにくくなっており中々難しい状態です。

※2024年3月17日現在
麻疹ワクチンが流行+タケダ麻疹ワクチンの出荷停止に伴いワクチンが手に入りにくくなっております。

又、小児の定期接種で必要なワクチンもございますので、まずは大人の方は抗体がついているかどうかをチェックすべきだと思います。当院でも可能です。
採血検査 5,500円です。予約はこちら 医師指定なしで大丈夫です。

【治療法】

インフルエンザに対するタミフルのような、麻疹に特別に行う治療法は無く対処療法を中心に行います。

又、麻疹にかかってから、SSPEを予防するための方法は確立されておらず早期発見し専門的な医療機関に受診することが望ましいです。

※麻疹に感染した方全員がSSPEに進行するわけではなく、日本で年間1~4人程度の発症です。

(引用)

直伝小児の薬の選び方使い方 改定4版

https://www.nanbyou.or.jp/entry/42

http://prion.umin.jp/sspe/gaiyo.html